聴覚障害者による日常生活に著しい支障がある身体障害者の為に目覚ましや インターホンの音、電話やFAXの呼び出し音。 その人を呼ぶ声等を聞き分け 必要な情報を伝え音源への誘導を行う犬の事です。
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聴導犬の訓練は基礎訓練、聴導動作訓練及び合同訓練の3段階において行うことを基本とし、それぞれの訓練記録を作成、保管すること。
また使用者への引き渡し後も、継続的な訓練及び指導を行うこと。なお、訓練においては、声による指示だけでなく、手などの合図でも確実に指示に従うように訓練を行うこと。 |
1 基礎訓練 |
基礎訓練とは、犬に対する基本的なレベルの訓練をいう。
なお、聴導犬については、介助犬等と異なり動物保護管理センター等で保護された犬などの中から適性のある犬を候補犬として訓練するケースが多いことから、社会性を身につけさせるための訓練について考慮する必要がある。
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(1) 基礎訓練においては、概ね次のような基本動作を確実に行えるよう訓練すること。
@ 合図したら来る
A 座る、伏せる、待つ、止まる
B Aの状態について、解除の意思表示があるまで維持できる
C 強く引っ張ることなく落ち着いて歩く
D 指示された時・場所で排泄できる
E 食物、他の動物や音響(聴導動作に必要な音を除く。)など様々
な刺激や関心の対象を無視できる
F 使用者に注目して集中することができる
G 指示された場所(部屋、車等)に入ることができる
H 人と接する楽しさ・喜びを感じることができる
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(2)
上記の基本動作は室内にだけでなく屋外においても行えるように訓練されなければならない。
その場合、次のような環境においても、必要に応じて可能な限り訓練を行うこと。
ただし、その際には、受け入れ側の事情にも配慮しつつ、犬が一定程度習熟された段階で実施する
ものとし、訓練者は周囲の人や施設に迷惑・危害をおよぼさないように責任をもって管理する事。
なお、聴導犬は一般的に小型犬が多いため、ペットと間違われやすく聴導動作に支障を来すおそれ
があるので、それらを想定した訓練も必要であること。
@ 公共交通機関(電車、バス等)
A ホテル等の宿泊施設
B スーパー、百貨店等の商業施設
C レストラン、喫茶店等の飲食施設
D 幼児や子供の多い場所
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(3)
基礎訓練は、実働日数として概ね60日間以上行うこと。なお、聴導犬の訓練においては、
訓練者の声による指示だけでなく手等の合図でも確実に指示に従うよう訓練する必要があるので、
基礎訓練の実働日数は候補犬の状況に合わせて柔軟に設定する必要がある。さらに、聴導犬は、
候補犬の確保の段階において盲導犬等とは異なり、動物保護管理センター等で保護された犬等を
訓練するケースが多いが、その場合は、人に対する信頼感の醸成、また、社会への適合のための
訓練が必要であり、屋外において行う基礎訓練の前までに、一定の日数をかけて社会性を身につけ
させるための訓練を行うこと。 |
2 聴導動作訓練 |
聴導動作訓練とは、聴覚障害者の日常生活に必要な音に適切に対応する動作訓練をいう。 |
(1) 聴導動作訓練においては、使用者のニーズに応じて概ね次のような音に対する反応動作を
確実に行えるよう訓練すること。
@ 生活に必要な音を覚え、使用者に知らせる
(例)
ア ドアノック・呼び鈴・チャイム
イ 目覚まし時計、キッチンタイマー等の各種タイマー
ウ ファックス、携帯電話等の通信機器
エ 火災報知器
オ 他人からの呼び声
カ 赤ちゃんや幼児の声
キ やかんの沸騰音
A 音源に反応し音源場所に行く
B 音源に反応し使用者を音源場所に誘導する
C 音源に反応し使用者に音源場所を明確に示す
D 火災報知器等の警報音や危険信号を知らせる
E 後ろからの自転車のベル、自動車のクラクションを知らせる
F その他使用者が求める音に対する反応動作
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(2)上記の聴導動作は、室内におけるだけでなく、必要に応じて屋外においても行えるように
訓練されなければならない。 |
(3)聴導動作訓練は、実働日数として概ね100日間以上行うこと。但し、聴導動作訓練は基礎訓練と
並行して実施して差し支えない。 |
(4)聴導動作訓練は、専門職との協力体制によって使用者の障害とニーズについての正しい評価に
基づいて作成された訓練計画により行うこと。 |
(5)聴導動作訓練の過程において、使用者と候補犬との適合評価をできるだけ早期に行うこと。 |
3 合同訓練 |
合同訓練とは、使用者本人が犬に指示をして、基礎動作及び聴導動作を適切に行わせることができる
ようにする適合訓練をいう。 |
(1)合同訓練においては、概ね次のような訓練及び使用者に対する指導を行うこと。
@ 使用者の障害やニーズに合わせた訓練
A 使用者の生活環境(室内外)に合わせた訓練
B 使用者に対する犬の飼育管理、健康管理、給餌、排泄等に関する
指導
C 公共交通機関、宿泊施設、商業施設及び飲食施設等の利用施設に
同伴する訓練
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(2)合同訓練においては、使用者に対する犬とのコミュニケーション手段の指導を行うこと。 |
(3)合同訓練は、実働日数として概ね10日間以上行うこと。 |
(4)合同訓練の最終段階では、使用者の自宅、職場又は学校において(1)の@からBの内容を概ね5日間以上行うこと。 |
(5)(1)のCについては、受け入れ側の事情にも配慮しつつ、実施するものとし、訓練者は周囲の人や
施設に迷惑危害をおよぼさないように責任をもって管理すること。 |
4 維続的な訓練・指導 |
聴導犬使用者の障害やニーズの変化あるいは環境の変化等に対応するため、犬の引き渡し後においても 継続的な訓練及び指導を行うこと。 |
(1)継続的な訓練及び指導は、概ね次の点について行うこと。
@ 使用者の障害やニーズの変化に応じた補充訓練
A 環境の変化に応じた追加訓練
B 使用者の必要に応じ、犬の基礎動作及び聴導動作の再訓練
C 聴導犬の健康状態及び行動・作業状況の確認と指導
D 犬のリタイア時期及びリタイア後の対応についての相談・指導
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(2)最低1年に1回は、(1)の@からCの内容について使用者から報告を求めるとともに、
必要に応じて自宅を訪問する等により継続的な指導を行うこと。
なお、最初の1年目は2〜3ヶ月に一度は報告を求めること。 |
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聴導犬育成団体は、使用者が聴導犬に求める様々な聴導ニーズに対応するため、相当な経験を有する 訓練者を配置するとともに、専門家等の協力体制を確保しておくこと。 なお、訓練者等は、使用者のプライバシー保護に十分留意すること。 |
1 訓練者の要件 |
(1)訓練者は、人と犬に対し愛情と思いやりを持ち、安全性に関する責任を持って訓練を行うこと。 |
(2)訓練者は、犬の飼育管理及び訓練を適正に行うための必要な知識及び技術を有していること。 |
(3)訓練者は、犬の社会適性及び作業適性についての評価と選択ができること。 |
(4)訓練者は、聴覚障害者についての基礎的知識を有するとともに、使用者とのコミュニケーションを 円滑に保てる程度の手話ができることが望ましい。 |
2 専門職の協力体制 |
聴導犬育成団体は、医師、獣医師、社会福祉士、言語聴覚士、心理職等の専門的知識を有する者の
協力体制を確保しておくとともに、使用者とのコミュニケーションを確保するため、手話通訳者を
確保できる体制をとっておくことが望ましい。少なくとも次のような評価等は、聴導犬育成団体の
みによって行われるのではなく、その内容に応じ、専門的知識を有する者とともに行われること。 |
@ 候補犬導入段階における犬の性質面の適性評価
A 使用者のニーズ評価と聴導訓練計画の作成
B 使用者と候補犬との適合評価
C 合同訓練終了後の総合評価・判定
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3 その他の協力体制 |
聴導犬育成団体は、必要に応じて、地域の障害関係施設、身体障害者相談員等福祉関係者、
聴覚障害者団体ボランティア等の協力体制を確保しておくこと。 |
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聴導犬としての訓練を行うに際しては、その犬の性質についての適性評価を行うこと。 |
(1)健全で陽気な性格であり、動物や人に対して友好的で臆病でないこと。 |
(2)人と一緒にいることを好むこと。 |
(3)他の動物に対して強い興味を示さず、挑発的な行動をしないこと。 |
(4)攻撃的でなく、過剰な支配的性質を有していないこと。 |
(5)環境の変化に神経質でなく、落ち着いていられること。 |
(6)平均的な触覚、聴覚及び感受性を有していること。 |
(7)集中力と聴導動作への積極性及び環境への順応力があること。 |
(8)乗り物酔いがないこと。
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1 安定的な確保 |
(1)聴導犬育成団体は、候補犬として適性のある犬を安定して確保するよう努めなければならない。 また、適性がないと判定された犬について譲渡先を予め確保しておく等の配慮が必要である。 |
(2)聴導犬を繁殖させる育成団体にあっては、遺伝性疾患が生じるおそれのある犬を繁殖の用に供さないように努め、
また、候補犬の選定にあたっては、遺伝性疾患のおそれのある犬を選定しないように努めなければならない。 |
(3)聴導犬育成団体は、候補犬の確保のため、必要に応じて動物保護管理センター及び保健所等との情報交換を図ること。 |
2 健康管理 |
(1)健康管理義務として、毎年1回、狂犬病ワクチン接種等を行うとともに、避妊・去勢手術を施すこと。 |
(2)獣医師による定期的な健康診断や検査等を行うこと。 |
(3)犬に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、人への感染の防止に努めること。 |
(4)犬の疾病及びけがの予防、並びに寄生虫の予防と駆虫等日常的な健康管理に努めること。 |