平成16年第3回( 6月)定例会  6月16日 02号
 議会議事録より

◆3番(鎌田基志君) 平成16年第3回定例会に臨み、私は、同志会を代表して市政全般にわたり質問をいたしますので、市長並びに教育長の明快かつ積極的な答弁を期待するものであります。
 初めに、新・高松市総合計画についてお伺いいたします。
 本市の市政運営の基本的な指針である新・高松市総合計画の前期基本計画が来年度終了することから、平成18年度からスタートする後期基本計画の策定が今年度から2年間かけて行われることになっております。この基本計画は、総合計画における長期的な施策を具体化し、中期的に必要な基本的施策を総合的かつ計画的に示すもので、主要事業計画の基礎となる非常に重要なものであることは言うまでもありません。計画の策定に当たっては、時代の趨勢として、また、市民と行政との協働を推進するという点からも、市民意識調査やパブリックコメントの実施など、市民の広範な意見を取り入れることが必要であります。
 また、本市の財政状況は依然として非常に厳しく、国の三位一体改革の影響もあり、今後さらに厳しくなることも予想されることから、限られた財源を、いかに効率的・重点的に配分するかが問われており、計画策定に当たっては、今年度予算編成と同様、徹底的な「選択と集中」に留意すること、そして、国の規制緩和策を活用することや市民団体の積極的な参加など、予算を必要としない手法を事業に積極的に取り入れることも必要であると考えます。
 さらに、現在、本市では六つの町と、それぞれ合併協議を進めており、今後策定される建設計画との整合性も図っていかなければなりません。また、合併協議会の帰趨については流動的な要素もあり、いまだ最終的な新市の形が見えないことから、策定に向けてのスケジュールに影響が出ることも考えられます。
 いずれにいたしましても、前期基本計画での取り組みを振り返り検証することはもちろんのこと、多様化する市民ニーズや本市を取り巻く環境の急激な変化にも的確に対応した上で、見直すべきところは大胆に見直しながら後期基本計画を策定し、目指すべき都市像の実現に向け、着実に施策・事業を展開していかなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、新・高松市総合計画における前期基本計画の、現時点での成果と評価についてお聞かせいただくとともに、後期基本計画の策定に当たっての基本的な考え方と、策定に向けた今後のスケジュールをお示しください。
 次に、市町合併についてお伺いいたします。
 本市では、塩江町を皮切りに、香川町・国分寺町・牟礼町・香南町・庵治町と、ここ1年間で6町との合併協議会が設置され、各協議会の協議の進捗状況は、協定項目の調整が順調に進んでいる塩江町から、今月2日に協議を始めたばかりの庵治町まで大きな開きがあることに加え、合併協議に対する町の姿勢や考え方にも温度差があるようです。
 ところで、今月10日に開かれた綾上町・綾南町・国分寺町合併協議会において、約48億円に上る国分寺町の上水道事業債務が合併後の重荷になるとして、綾南町長が同合併協議会から離脱する意向を表明したことにより、同協議会は今後の活動の休止を決めたようであります。
 御承知のとおり、国分寺町は本市とも並行して合併協議を進めておりましたが、今回の休止によって本市との協議会に一本化され、今後、本市との合併協議が円滑に進むことを期待するものであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、綾上町・綾南町・国分寺町合併協議会が休止を決めたことに対する受けとめについてお聞かせください。
 このような中、去る5月、来年3月末に失効する合併特例法が改正され、合併特例債の発行などの財政上の優遇措置が1年間延長される経過措置が盛り込まれましたが、合併までの手続としては、市町村議会の議決を経て、来年3月末までに県へ合併の申請を行う必要があることから、合併協議会の設立は6月議会がリミットであると考えられ、綾上町や綾南町の動向は流動的であるものの、本市との合併協議の枠組みは一応整った感があります。
 このようなことから、今後、合併協議が進み、ある程度の合併後の市の将来像が具体化された時点で、市長みずからが、新しい市の将来像はもちろんのこと、財政状況や経費削減額などについて住民に対して説明をすべきであると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、今後、合併後の市の将来像や具体的なメリットなどについて住民に示す考えをお聞かせください。
 ところで、私は、市町合併を推進するに当たっては、現行合併特例法に基づく合併特例債の発行などの国や県の財政支援を受けるべく最善の努力をしていくことが大前提であると考えておりますが、合併特例法の適用を受けるためには、先ほども申し上げましたが、建設計画を初めとする合併協定項目について、年内には協議を終える必要があると思われます。
 しかしながら、塩江町との合併協議会では、昨年6月に協議が始まって以来、1年間で10回の協議会を開催しておりますが、まだ協議項目の調整は終わっていないことを考えますと、これから年末までの半年間で、すべての協定項目の調整を終えるためには、塩江町以外の合併協議会においては、1回当たりの会議で協議する項目をふやすなど、より効率的・効果的な合併協議を行っていく必要があることは明らかであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、合併特例法の改正を踏まえた、本市の合併までのスケジュールについてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
 ところで、新しい市の将来に対するビジョンである市町建設計画は、今後、各合併協議会において策定が進められていきますが、本市においては、すべての町と編入合併となると予想され、原則として、編入される町のみを対象とした建設計画になるものと考えられます。
 この建設計画に基づいて行われる事業は、一定の条件のもと、財政上の優遇措置を受けることができますが、その中心となる合併特例債は、充当率が95%、元利償還金の70%を普通交付税で措置できることから、他の市債に比べ非常に有利ではあるものの、一般財源の負担も必要であること、また、その発行可能額は、合併する町の人口により算出されることから、当然、差異があること、また、先進地では、合併特例債を活用する予定であった事業が、実際には認められなかった事例が、よくあるようです。
 このため、各建設計画における主要事業の選定に当たっては、まず、目指すべき都市像を描くことは当然でありますが、さきに申し上げたことに十分留意するとともに、非常に厳しい財政環境を勘案し、合併特例債の発行規模などを慎重に検討する中で、一定程度、統一した基準を設定することにより、各町との公平性が保たれ、円滑に協議を進めていけるのではないかと考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、建設計画の主要事業の選定に当たっての基本的な考え方についてお聞かせください。
 次に、行財政問題についてお伺いいたします。
 先日公表された、民間シンクタンクが実施した人口10万人以上の市区のうち、205の市区について、75項目にわたる行財政改革評価結果によりますと、本市は「財政運営・予算編成」については9位、総合では20位となっており、平成8年度以来3度にわたる行政改革計画などの着実な推進の結果であると評価しているところであります。
 ところで、本市では、現在、昨年7月に策定された新行財政改革計画に基づき、平成17年度までの3年間を短期集中改革期間と位置づけ、行財政改革に取り組んでおりますが、先日公表された、初年度である平成15年度の取り組み結果報告によりますと、具体的な取り組み項目である277項目のうち263項目について実施または着手したことにより約31億2,000万円もの経費の節減が図られるなど、大きな成果が上がっているようであります。今後とも計画の推進に当たっては、適正な進行管理を行うことはもちろんのこと、大胆な実行力も必要であると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、新行財政改革計画における昨年度の取り組み結果に対する評価をお聞かせいただくとともに、同計画の推進に向けた今後の取り組みについても、あわせてお聞かせください。
 ところで、景気の低迷で税収が伸び悩む中、平成14年度の市税の滞納額は約38億9,500万円、そのほか、国民健康保険料などの滞納額は約14億5,700万円にも上り、その滞納額の縮減が課題となっております。本市では、平成14年9月に収納対策推進本部を設置し、昨年7月には管理職員による市税徴収特別対策事業を実施するなど、市税収納率の向上に一定の成果を上げているようであります。
 しかし、今後は、市税のほか、国民健康保険料や住宅使用料などの各種収入金についても、市民の納税・納付意識の高揚を図り、収納率を向上させる取り組みが必要であります。
 そこで、お尋ねいたしますが、市税徴収特別対策事業の実施に当たり、対象を市税だけでなく、すべての収入金に拡大する考えについてお聞かせください。
 これまで滞納額を縮減するため、県に対して、県内すべての自治体で構成する滞納整理組合の設立を要望してきたところでありますが、去る4月27日に、香川県市町長会議において、税の滞納案件を専門的に処理するための全県組織の設立について県から提案され、今月8日には、その組織として(仮称)香川滞納整理機構の設立に向けた初の検討会が開かれました。この整理機構は、特に回収困難な高額の滞納案件を市や町から受託し、これまで各市町が独自で行うことが困難であった差し押さえ物件の公売などを行うこととしているようであります。
 このような組織の設立は、まだ全国でも珍しいようでありますが、仄聞するところでは、既に実施している茨城県では、平成15年度における実際の徴収額は約8億1,800万円で、納付約束額などを含めると約37億7,000万円と大きな成果が上がっているようであります。本市としても、県都として主体的な役割を担うべく、実効性のある組織の設立に向け取り組んでいかなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、(仮称)香川滞納整理機構の設立に対する所見と、設立に向けた今後の取り組みについてお聞かせください。
 ところで、今定例会に、高松市土地開発公社への34億5,000万円もの貸付金に係る補正予算が提出されております。土地開発公社は、自治体にかわって土地を先行取得することを主たる役割としておりますが、長期にわたる景気低迷などから、全国的に保有期間が長期化し、金融機関からの借入金に対する金利負担の増大が運営の圧迫要因の一つとなっております。
 本市も例外ではなく、今回の土地開発公社への貸付金の内容は、平成8年に新市民会館建設予定地として取得したものの、その後、新市民会館がシンボルタワー内に整備されることになり、本格活用されることなく現在に至っているサンポート高松のA1街区について、その購入に係る同公社の、銀行からの借入金をゼロにし、金利負担をなくすため財政調整基金を取り崩し、無利子で貸し付けるということのようであります。
 今回貸し付ける34億5,000万円については、平成18年度中に返済される見込みであると聞き及んでおりますが、昨年10月に示されました中期財政収支見通しの試算によりますと、平成17年度には約67億円、平成18年度には約107億円の財源不足が見込まれておることに加え、国の三位一体改革の行方によっては、さらに財政的に苦しくなることも考えられることから、34億5,000万円もの巨費を一般財源から拠出し、果たして財政運営に支障を来さないか、懸念されるところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、今回の土地開発公社への貸付金に対する基本的な考え方についてお聞かせください。
 今回の貸付金の返済期限の目途である平成18年度までには、時間的に十分な猶予はないことから、早急にA1街区に関する活用検討委員会を立ち上げるなどし、本格活用について速やかに検討していかなければならないと考えますが、時間的な制約を気にする余り、不十分な検討結果に終わってしまっては元も子もありません。市中心部の得がたい貴重な市民の財産であることから、将来に禍根を残すことのないよう、市民の幅広い意見を聞く中で、だれもが納得でき、後世の批判にも耐え得る活用方法を慎重に検討しなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、検討組織の設置も含め、サンポート高松A1街区の本格的活用策についての基本的な考え方と今後のスケジュールについてお聞かせください。
 さて、同公社が抱える保有地はA1街区だけではなく、その他の保有地に係る金利負担は依然として残り、今回の貸し付けにより問題が解消されるわけではありません。用途が具体的に決まった上で保有しているのならばともかく、A1街区のような低利用あるいは未利用となっている先行取得用地に関しては、全国的な問題となっているところでもあり、土地開発公社のあり方についても検討する時期にあろうかと思います。同公社は、本市の出資により設立され、本市の債務保証を得て金融機関から借り入れを行い、本市が買い戻すという前提の上で土地を取得していることから、損失が発生すれば、最終的には、当然、設立団体である本市の負担となるため、未利用地の解消に向け積極的に取り組まなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、現在、A1街区を除き、土地開発公社が保有する土地と借入金の状況をお示しいただくとともに、今後の対応についてお聞かせください。
 次に、フリーゲージトレインの導入についてお伺いいたします。
 次世代の高速鉄道として注目されてきたフリーゲージトレインは、昨年、坂出−松山間で、また、ことしの夏以降には初の新幹線区間での走行実験が予定されており、国土交通省では、平成20年ごろの実用化を目指しているようであります。
 将来の道州制の州都を考えるとき、フリーゲージトレインの高松への導入は重要な要素であると思いますが、フリーゲージトレインが四国に導入されますと、山陽新幹線と瀬戸大橋線の間が乗りかえなしで直通運転され、高松と新大阪の間を1時間32分で結ぶことが予測されていることなどから、交流人口の増大や地域経済の活性化などが大いに期待されるところであります。
 また、去る3月、グランドオープンしたサンポート高松は、鉄道・船・バスなど、海陸交通の結節拠点としての高次の機能を有しており、フリーゲージトレインが導入されますと、一段と交通結節機能が強化され、サンポート高松との相乗効果も加わり、環瀬戸内海圏の中枢・中核都市にふさわしい都市づくりに大いに寄与し、拠点性の飛躍的な強化につながるものと期待されます。
 これまで我が同志会としても、フリーゲージトレイン導入に積極的に取り組んできたところでありますが、今後ますます誘致合戦が激しくなってくるものと思われます。
 そこで、岡山県や岡山市はもちろんのこと、香川県内、また、四国内の自治体とも連携を密にする中で、官民一丸となって導入に向けた取り組みを一層推進することはもちろんのこと、フリーゲージトレインのメリットを十分に市民に周知し、導入に向けた地元での機運を高めていかなければならないと考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、フリーゲージトレインの早期導入に向けて、今後とも積極的に取り組む考えについてお聞かせください。
 次に、高齢者福祉についてお伺いします。
 昨年、厚生労働省が訪問介護事業者などを対象に初めて実施した家庭内での高齢者虐待に関する全国調査では、介護疲れや痴呆による言動の混乱が虐待の要因の大半であり、また、息子による虐待が最も多く、虐待を受けている10人に1人が生命にかかわる危険な状態であるなど、高齢者への虐待問題の深刻さが浮き彫りになりました。これを受け厚生労働省では、相談窓口の設置や介護に悩む家族の支援体制整備などを柱とする虐待防止策の検討に乗り出し、平成18年度の実施を目指しているようであります。
 現在、本市では、高齢者虐待に対して、福祉事務所窓口や市民相談コーナー、また、地域の老人介護支援センターにおいても相談に応じているようであります。
 しかしながら、高齢者の虐待には、殴ったり、ベッドに縛りつけるなどの身体的虐待のほか、無視するなどの心理的虐待や日常生活に必要な金銭を使わせない経済的虐待、食事を与えない介護放棄などといった、さまざまなものがあることから、状況に応じた的確かつ慎重な対応が求められるものと考えます。現在、本市では、高齢者への虐待に対する対応についてのマニュアルは、まだ作成されていないようでありますが、多種多様な状況に応じた対処方法や虐待を発見した場合の連絡体制などをまとめた虐待防止マニュアルを早急に作成しなければならないと考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、高齢者への虐待防止マニュアルの作成を含め、虐待防止に向けた取り組みについてお聞かせください。
 ところで、高齢化の進展とともに、痴呆性高齢者が増加傾向にある中、少人数による共同生活の中でケアする在宅サービスである痴呆性高齢者グループホームは、住みなれた地域で暮らしたいという当たり前の願いを実現する場として、痴呆介護の切り札として期待され、整備が促進されてきました。
 このような中、グループホームは特別養護老人ホームなどの介護老人福祉施設と違い、民間企業などでも開設できることや収益の安定性などから、多様な業種の事業者の参入が相次ぎ、独立行政法人 福祉医療機構の調査では、全国で、介護保険制度導入前の平成12年3月末の266カ所に比べ、今年3月末には約17倍の4,585カ所に急増しているようであります。
 同様に、本市においても、平成12年3月末には全く開設されていなかったものの、今年3月末には19カ所ものグループホームが開設されており、その後も整備が急速に進み、現在では、着工しているものを含めると約38カ所ものグループホームが整備されているようであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、本市のグループホームが介護保険制度導入後、急増した原因をどのようにお考えなのか、お聞かせください。
 また、仄聞するところでは、グループホーム指定申請中の事業者も、まだ多くあり、今後、サービスの供給過剰になることが予測されます。現在、本市では、新設を希望する事業者に対し自粛するよう協力を求めているようですが、グループホームの急増により、介護給付の増加に伴う財政の逼迫やサービスの低下などが懸念されることから、より一層、県と連携を図っていかなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、グループホームのサービス供給量の適正化に向けた取り組みが必要であると思いますが、お考えをお聞かせください。
 次に、環境問題についてお伺いいたします。
 本市においては、市役所みずからが率先して環境に配慮した行政を推進し、環境共生都市を実現するため、市役所本庁舎の事務事業を対象として、平成13年9月に環境マネジメントシステムの国際標準規格であるISO14001の認証を県内の自治体としては初めて取得したほか、このノウハウを生かし、事業者に対しても認証取得経費の一部助成を初め、相談窓口の設置、認証取得ガイドブックの配付を行うなど、事業者の環境保全活動の促進にも努めております。
 そこでまず、お尋ねいたしますが、ISO14001の認証取得後の効果についてお聞かせください。
 また、今年度において、このシステムの適用範囲を本庁舎に加え、59の出先施設に拡大するようであり、この取り組みは、まことに有意義で効果あるものと考えております。しかし、市民病院や保健所などは対象から除かれており、業務の性質などの問題はあると思いますが、職員の意識改革や市民への啓発効果などを考えますと、すべての出先施設を適用範囲とするべきだと考えます。
 また、このシステムはISO14001の認証そのものが本来の目的ではなく、環境マネジメントシステムを実施・運用し、点検・是正し、ふぐあいがあれば見直すことを繰り返し行い、その取り組みの継続的改善を図ることが特徴であります。このことから、適用範囲の拡大に当たっては、本庁舎での、これまでの取り組みによる改善点を生かし、より環境負荷の少ない高度なシステムの構築に向け、取り組みを進めなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、環境マネジメントシステムの適用範囲をすべての出先施設としなかった理由をお示しください。
 また、今年度の適用範囲の拡大に向けた取り組みとスケジュールについてお聞かせください。
 ところで、今日の、さまざまな環境問題を解決するためには、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動や生活様式を見直し、環境に負荷をできるだけかけない取り組みが必要であり、我が国のみならず、世界各地で、さまざまな取り組みが進められておりますが、先日の気象庁の発表によれば、平成14年度の世界の大気中の二酸化炭素濃度は過去最高値を示すなど、解決どころか悪化している問題もあります。
 このような中、大気汚染・水質汚濁・ごみ問題などの環境問題は人類共通の最重要課題の一つであり、次代の子供たちに、よりよい環境を残していくことは現代に生きる私たちの当然の責務であると言えますが、どの環境問題も一朝一夕に解決できるものではなく、市民の生活様式や事業者の活動を改善するほかに解決の方法はありません。
 このようなことから、本市が市民や事業者の環境行動への動機づけや意識改革を行い、より大きな市民運動や事業活動などにつなげていくことが、本市が本来担っていくべき最も重要な役割であり、まさに市民・事業者・市三者のパートナーシップのもと、環境への負荷の少ない社会を築くことが大切だと考えます。こういった意味では、エコマイスターやNPOなどへの支援はもちろんのこと、これらの団体などの活動拠点となる環境プラザの役割が非常に重要であると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、市民・事業者・市三者のパートナーシップの重要性に対する認識と、その構築に向けた取り組みについてお聞かせください。
 次に、都市計画道路についてお伺いいたします。
 本市では、長期間未整備となっている都市計画道路を抜本的に見直すため、平成14年度に都市計画道路網検討委員会を設置して見直しを進めておりましたが、今月1日の建設水道調査会で見直し案が示されました。
 この見直し案は、現在、都市計画決定している66路線の道路のうち、事業化のめどが立っていない18路線を対象に、路線の必要性や投資効果などについて路線ごとに評価を行った結果、さぬき浜街道から扇町・宮脇町方面に抜ける浜ノ町宮脇線の一部区間など8路線4.35キロメートルを廃止・縮小するというものであります。これらの見直し路線は、事業化のめどが立たないことに加え、都市計画の決定から長期間が経過したため、当初の計画と整合しなくなっているものなどであり、やむを得ないものと考えています。
 しかしながら、見直しに当たっては、長期間にわたる建築規制による私権制限の問題を初め、さまざまな問題があることから、何と申しましても地元住民や地権者など関係者の理解と協力が不可欠であり、これらの関係者に対して十分な説明をしなければなりません。
 そこで、お尋ねいたしますが、都市計画道路網の見直しに当たっての基本的な考え方と、地元住民などの理解を得るための取り組みについてお聞かせください。
 最後に、教育問題についてお伺いいたします。
 平成14年度から施行された学習指導要領では、学習内容の3割削減や学校週5日制で生まれたゆとりの中で、生きる力を育成するための教育が実施されてきましたが、一方で、保護者などからは学力の低下を懸念する声がありました。
 このような中、確かな学力育成のための取り組みが必要であるという中央教育審議会の答申を受け、昨年12月に学習指導要領の一部が改正され、学習内容の上限を定めた「はどめ規定」の記述が見直されたことで、教科書に、学習指導要領に示す範囲を超える学習内容である発展的内容の記述が認められました。
 これを受け、去る3月、来年度から小学校で使用される教科書の検定結果が公表され、学習指導要領では削除された多くの内容が発展的内容として復活しました。この発展的内容の記述は、教科書によって、その内容や分量に差があり、どの教科書を採択するかが学校での授業に大きく影響すると思われます。
 そこで、お尋ねいたしますが、来年度から使用する小学校教科書の採択に当たっての基本的な考え方についてお聞かせください。
 さて、採択された教科書を、どう教育現場で生かしていくかが最も大きな課題でありますが、本市では、少人数での授業や複数担任制などで基礎・基本の徹底した指導や習熟度に応じた学習指導を行う香川型指導体制を実施していることから、発展的内容の取り扱いについて、教育現場が混乱しないように、ある一定の指針を教育委員会が示すことも必要ではないかと思います。
 そこで、お尋ねいたしますが、発展的内容を学習内容に加えるに当たって、その取り扱いについての指針の作成を含め、今後の取り組みについてお聞かせください。
 ところで、一昨年6月に発生した大阪府池田市の小学校での児童殺傷事件の後、学校の安全管理が大きな社会問題となり、本市でも不審者の侵入に対応するため、学校危機管理マニュアルの作成や緊急校外通報システムの整備のほか、監視カメラなどによる防犯監視システムの整備にも取り組むなど、その対策に十分留意してきたところであります。
 このような中、つい先日、長崎県佐世保市の小学校で児童が殺されるという痛ましい事件が、また発生しました。今回の事件は、校内で6年生の女児が同級生をカッターナイフで切りつけ死亡させるという信じられない事件であり、子供の心の中に何が起こっているのか、戸惑いさえ感じさせる事件でありました。事件の発生を受け、本市と県の教育委員会から、事件発生の翌日に、各学校長に対して、命の大切さに関する指導などの徹底と充実について通知されておりますが、昨今、長崎市での中学生による幼稚園児殺害など、子供による凶悪事件が相次ぎ、心の教育について、さまざまな議論や取り組みが展開される中での今回の事件の発生ということで、教育関係者は大きな衝撃を受けたのではないかと思います。
 しかしながら、このようなときこそ教育の持つ役割がますます重要となり、次世代を担う心豊かな人間育成という大きな使命を果たすため、教育関係者の、さらなる努力が今後とも期待されます。
 今後は、今回の事件を教訓として、命をとうとぶ学習を、より重視した心の教育を充実させることが最も重要でありますが、教師が子供一人一人の思いや悩みの把握に努め、ちょっとした心の変化を見逃さないような目を養い、積極的に子供の心の中に入っていくことにより、このような事件の未然防止に努めることが必要と考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、今回の佐世保市の小学校での同級生殺害事件に対する教育長の受けとめをお聞かせいただくとともに、今回の事件を教訓として、心の教育の推進などを図る考えについてお聞かせください。
 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました