平成 8年第3回( 9月)定例会  9月17日 04号
 議会議事録より

◆22番(鎌田基志君) お許しをいただきまして、私は平成8年9月定例会に当たり一般質問をさせていただきます。市長の明快かつ積極的な答弁を期待いたします。
 それでは、まず初めに、支店経済都市についてお伺いいたします。
 本市は、これまで四国の玄関、四国の中枢管理都市、支店経済都市を標榜しながら着々と発展をしてまいりました。
 しかし、間近に迫った瀬戸内海三橋時代において、本市経済の主体的一翼を担った大手企業の高松支店も、明石海峡大橋の完成を視野に、また、日本経済の停滞から来る企業のリストラで、高松の支店を引き上げる企業もあるやに、また、物流業界では、早くも徳島方面へ活動拠点を移すための設備投資をする企業もあると仄聞いたしております。
 さらには、本市の21世紀の新拠点として、サンポート高松の一大プロジェクト事業が進められておりますが、この地区への企業進出は、いまだ1社も決まっていない上、地元企業も周辺町の企業団地への移転を進めているところがあると聞き及んでおります。あわせて人口の流出も進んでおり、本市の人口も伸び悩んでいる状況であると思います。
 また、先日、国税局が発表した平成8年分の県内の路線価は、全国で4位の下落率、下げ幅では全国1位となっております。
 私は、このようなことから、支店経済都市に陰りが見えているのではないかと非常に心配をしておりますが、本市の支店経済の状況をどのように把握し、認識しているのか、お示しください。
 また、支店経済の維持向上のため、どのような施策を考えられているのか、お聞かせ願います。
 次に、西日本中央連携軸についてお伺いいたします。
 国においては、国土の均衡ある発展の見地から、地域の連携・自立による多様性に富んだ分散型国土の形成を図る新たな国土軸等とともに、地域連携軸構想が次期全国総合開発計画の検討の中で進められております。
 このような状況の中、日本海・瀬戸内海──瀬戸大橋・太平洋を結ぶ高速道路が平成8年度中に完成することにより、新たな地域連携軸ができようとしております。
 そして、この連携軸は、沿線の人・物・情報を運ぶ運河となり、沿線の都市にとって、はかり知れない効果をもたらすと期待されるところでもあると存じます。
 このことから、島根・鳥取・岡山・香川・高知の5県に徳島県が加わり、西日本中央連携軸推進協議会が設立され、さらには、経済同友会や商工会議所等の経済団体も、相次いで推進母体を発足させるなど、行政・民間で連携軸推進への動きが出てきております。
 また、香川や岡山・鳥取・島根・高知県の沿線25市により、先月19日、西日本中央連携軸沿線都市連携推進協議会が設立され、中・四国の南北軸形成の連携母体が発足し、今後において、情報や観光などの面で広域的連携と交流を図るとともに、次期全国総合開発計画に連携軸を位置づけるよう要望していくと仄聞いたしております。
 このように、中・四国の南北軸の形成は、瀬戸内海三橋時代において都市間競争が激しくなる中で、一本の軸を持った都市連携であり、まことに有意義であると存じます。
 なお、今後の三橋時代においては、平成10年春に完成する明石海峡大橋を軸とする阪神・徳島圏域、さらには、尾道−今治ルートを軸とする広島・松山圏域と、その間に挟まれた、瀬戸大橋を軸とする岡山・香川圏域の3圏域は、3本の橋を軸として、圏域の経済や文化等が拮抗し合う中、新たなるポテンシャルを大きく育てるとともに、これを本市の発展に結びつけていかなければならないと考えます。
 そして、それは受け身の対応ではなく、未来への展望が持てる主体的な取り組みでなければならないと思うところであります。
 そこで、お伺いいたしますが、本市行政に係る西日本中央連携軸推進の位置づけ、及び本市発展に結びつけ、未来へ展望が持てる主体的な取り組みについてお聞かせ願います。
 次に、高松琴平電鉄の連続立体交差事業についてお伺いいたします。
 琴電は、瓦町駅を中心に築港線・琴平線・志度線・長尾線と4方向に路線が延び、総営業キロ数約60キロメートル、1日平均乗降客数約9万2,000人を数える地方鉄道であり、日常の通勤や通学・買い物などに利用され、市民等の重要な公共交通機関としての役割を担っております。
 しかしながら、これら路線は、市街地中心部でも平面軌道であるため、交通渋滞や交通事故等の原因の一つにもなっており、特に、築港線及び琴平線は、都市の公共交通に大きな役割を果たしている反面、円滑な道路交通を阻害する大きな要因ともなっており、また、市街地中心部の土地利用の面からも、築港線と琴平線が市街地中心部を平面で南北に分断し、市街地の一体的な土地利用を妨げております。
 このような状況のもと、昭和58年には学識経験者や国・県・市の関係機関から成る高松琴平電鉄連続立体交差問題協議会が設立され、これら諸問題の解消を目指すとともに、市街地の再整備、都市の健全な発展を図るため、琴電の連続立体交差化についての検討がなされ、昭和60年には鉄道事業者の琴電も加わった高松琴平電鉄連続立体交差事業対策協議会が設立され、連続立体交差方式や施行区間、また、連続立体交差事業と瓦町駅ビル計画との調整や瓦町駅前広場の整備などについて具体的な検討がなされ、平成2年9月に基本的な方針が取りまとめられたことから、現在、琴電の連続立体交差事業計画と整合した瓦町駅周辺地区の整備が進められております。
 そこで、お尋ねいたしますが、この連続立体交差事業は、本市の都市交通の安全と円滑化並びに市街地の活性化を図る施策として非常に重要な事業と思いますが、この事業推進に対する市長の決意をお聞かせください。
 また、琴電の連続立体交差事業の全体計画と本年度採択された概要をお示しいただくとともに、本年度の事業計画と今後の予定についてお答えください。
 最後に、太田第2土地区画整理事業に関連して、シンボルゾーンにおける公共施設の整備についてお伺いいたします。
 太田第2土地区画整理事業は、事業着手以来10年目を迎え、国道11号高松東道路の開通等を初め、事業は順調に進捗しており、日増しに良好な町並みが形成されております。
 また、当地区周辺においては、香川インテリジェントパーク内に本年5月、株式会社 香川産業頭脳化センターがオープンするとともに、平成10年春には香川大学理工系学部の開設が予定されており、さらに、昨年4月に開校した高松桜井高校に隣接して、県の高松土木事務所も工事に着手し、そして、四国横断自動車道の高松中央インターチェンジ(仮称)の設置が予定されるなど、当地区を含む本市南部地域は、21世紀における新たな都市拠点として整備が進められております。
 さて、当地区は、平成5年に建設省から、ふるさとの顔づくりモデル土地区画整理事業の指定を受け、当地区の中心を南北に走る都市計画道路福岡−多肥上町線の沿線のうち、国道11号高松東道路以北の近隣商業地域を、地域の顔となるシンボルゾーンとして位置づけし、透水性カラー舗装を初めとするグレードの高い歩道整備や、当地区の特色である、ため池や公園を結ぶ水と緑の回廊整備を行うことにしております。
 さらに、これらの整備に先行して、本市南部地域をリードする商業・文化の新たな拠点となるよう、大規模商業施設と公共施設という二つの核施設を整備するやに聞いております。
 とりわけ、供用開始予定の福岡−多肥上町線の沿線には、「天満屋ハピータウン」を核として、数店の商業業務用店舗が出店を予定しており、大規模商業施設の立地は進んでいるようでありますが、導入する公共施設については、いまだに示されておりません。
 仄聞するところによりますと、地権者の間では、市は本気で公共施設を導入する考えがあるのかといった疑問の声が上がっており、一方では、地権者が土地を第三者に貸す動きもあるようでして、整備する場合には用地の確保が困難になるおそれもあります。
 私は、市南部地域の新たな拠点として、今後の本市の発展に重要な役割を果たすことが期待されている太田第2土地区画整理地区のシンボルゾーンにおいて、にぎわいのある空間が創出される公共施設として、例えば、子供科学館的な施設を設置されますと、周辺の商業施設等と相まって相乗効果が期待できると考えます。
 この点を含め、今後、早急に導入施設の方針を決定し、区画整理事業の推進を図るべきであると考えますが、市長のお考えをお聞かせ願います。
 また、公共施設の導入決定に当たっては、早急に体制づくりを進めることが必要であると考えますが、庁内検討委員会等の設置や用地の確保を含め、今後の取り組みについてお示しいただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。