平成 7年第4回( 9月)定例会  9月21日 04号
 議会議事録より

◆22番(鎌田基志君) お許しをいただきまして、私は、平成7年第4回定例会に当たり一般質問をいたします。市長の明快な答弁をお願いいたします。
 まず初めに、都市活力の低下と企業等の流出についてお伺いいたします。
 市長は、自前の50万都市づくりについて、都市の活力は人口であるとの考え方のもと、37万人の昼間人口なり、コンベンションや観光などによる交流人口を踏まえる中で、「サンポート高松」の総合整備や瓦町周辺地区の再開発の促進、太田第2土地区画整理事業の推進を初めとした都心機能の充実整備を進めるとともに、産業の活性化や少子化社会への適切な対応、また、にぎわいの創出など都市全体としての魅力の向上に努めることにより都市経営基盤の拡充、ひいては人口増加につなげていかなければならないと考えておられるようであります。
 今、高松市が推進している都市機能・基盤の整備充実が行われると、確かに昼間人口は増加するかもしれません。しかし、現在の市街化区域と市街化調整区域を区分する、いわゆる線引き制度のもたらす結果により、地価が高過ぎる市街化区域は敬遠され、長年、高松市に本社のある大手企業、例えばタダノ・東洋テックス・セシール・南海プライウッド等といった企業までが、次々と軒並み市外に工場部門の移転を進めており、このことは都市活力の低下につながっていると思います。
 国において、文化的な都市生活及び機能的な都市活動の確保、並びに適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られることを基本に、昭和44年6月、新たに都市計画法が施行されております。この法律を受け、本市を含む県中央部の一体的都市計画を確立するため香川中央都市計画区域が指定され、昭和46年10月20日、市街化区域及び市街化調整区域の決定がなされ、いわゆる線引き制度が実施されております。
 この線引き制度は、農地や山林が無秩序に開発され、市街地が虫食い状態に拡散されていき、道路も排水もないような不良市街地が形成される、いわゆるスプロール現象を防止し、都市地域を、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に良好な市街地の形成を促進する市街化区域と、当面、市街化を抑制する市街化調整区域に区分したものであります。この市街化区域及び市街化調整区域を担保するものとして創設されたのが開発許可制度であります。
 この制度により、市街化調整区域については開発が大きく制限され、乱開発を抑えるための都市計画法の目的は一応達成されたものの、高松市の発展には大きな弊害になっていると言わざるを得ません。
 市街化区域においては、一定規模──1,000平方メートル以上の土地は開発許可制度が適用されるものの、農地転用は、単なる届け出で足りることから、市街化が比較的容易に進展するものと思われましたが、市街化区域内の地価の異常な高騰や、それに伴う農地転用後の固定資産税の上昇を心配する余り、市街化区域内の宅地化が一向に進展せず、線引き後23年余を経過した現在でも、約900ヘクタールの農地が市街化区域内に存在している状況となっております。
 これまで線引きの見直しが何度も行われておりますが、部分的な見直しだけにとどまり、市街化区域全体の見直しはなされておりません。また、家を新築したい人や、企業が経営規模の拡大を図ろうと市街化区域内に土地を求めようとしても、地価が高く二の足を踏み、市街化調整区域では立地が困難なことから、線引き制度のない周辺町や山田地区へ大部分が散逸している状況であります。
 そこで、お伺いいたします。
 市長は、この線引きの結果がもたらしている都市活力の低下と企業等の周辺町への流出をどのように認識し、今後どのような対応策を考えておられるのか、お聞かせください。
 また、山田地区において工業団地を造成してはいかがかと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
 次に、都市計画区域外の宅地開発についてお伺いいたします。
 先ほど申し上げました山田地区のうち、特に川島・十河両地区は都市計画区域外であり、また、中心市街地から、長尾バイパスの一部開通等により、車での所要時間は、通勤時で約35分と利便性が高いことからして、速いスピードで宅地化が進み、多くの分譲住宅が建築されております。
 したがいまして、山田地区人口も、平成2年4月には1万7,338人であったものが、平成7年4月には1万9,610人となり、5年間で13.1%2,272人もの人口が増加をいたしております。
 このように、山田地区は、高松の人口の現状維持に大いに貢献していることは御承知のとおりであります。
 しかしながら、この地区は都市計画区域外であり、何の規制もないことから、無秩序な開発が進んでいるのが現状であります。建築基準法も一部しか適用されないため、消防自動車や救急車両も入れないような狭い道路、また、団地内には幼児・児童の遊び場や緑地もなく、その上、集会所や、ごみステーションがないところも多く見られます。
 他県から移り住んだ住民からは、県都であり、30万都市である高松の地域生活環境が、こんなに劣悪とは信じられないといった声が聞かれます。
 私は、この問題について以前にも取り上げ、質問をさせていただきましたが、その後3年を経過しても、何ら適切な対応がなされておりません。このまま放置しておくならば、いつか大惨事を招き、行政の怠慢と非難を受けることは間違いありません。
 平成4年6月には都市計画法及び建築基準法が改正され、知事が関係市町の意見を聞いて指定する都市計画区域以外の区域内においては、地方公共団体は、条例で建築物の敷地及び構造について必要な制限ができることになっているようでありますが、市長は、この無秩序とも言える宅地開発の現状をどのように受けとめておられるのか。また、条例制定の前提条件となる区域の指定について、今後どのように対応されるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
 次に、競輪事業についてお伺いいたします。
 本市の競輪入場者数は、関係者の懸命な努力にもかかわらず、ここ数年、減少の一途であります。このことは、長引く経済不況、さらには、平成5年2月に開設されました「ウインズ高松」の影響もさることながら、レジャーの多様化、ファンの高齢化など、競輪を取り巻く環境が依然として厳しい状況にあるためと考えます。
 平成6年度の競輪事業特別会計決算状況を見てみますと、車券発売収入は198億3,818万3,700円となっておりますものの、このうち、約5%に当たる9億8,191万2,000円が施設等改善競輪収入であります。また、普通競輪の収入額を発売種別で見てみますと、場内での発売収入額は140億3,136万1,200円、構成比で74.4%、電話投票による発売収入額は18億5,210万1,100円、構成比9.8%、また、場外車券の発売収入額は29億7,280万9,400円となっております。
 これを平成5年度決算と比較しますと、全体発売額は3.5%増加しておりますものの、場内での発売は10%減少しており、電話投票は46.9%、場外発売は110.5%もの増加となっております。このことは、結局、入場者数が年々減少しているということを証明しているわけでもあります。
 入場者数減少の原因は、さきに述べた理由にも増して、本市競輪場施設の老朽化など、環境整備のおくれが一番の原因であると思います。他都市の施設に比較して、清潔感・機能性・明るさなど、どれをとっても、余りにもおくれております。
 これからの施設は、各層のファンが気楽に入場でき、健全で明るい施設への近代化を図り、ファンの確保に努めることが必要であります。
 このようなことから、本年6月定例会において、選手宿舎と場内等の整備を行うための競輪場施設整備調査費500万円が了承され、施設整備基本計画策定の準備を進めているようであります。
 しかし、私は、この際、部分的な改修ではなく、競輪場の移転や、テニスコートや見本市・コンベンションにも使用できる全天候型ドーム競輪場への改築など、競輪場全体を総合的に見直してはどうかと考えます。
 そこで、お尋ねしますが、競輪場施設整備の考え方をお示しいただくとともに、今後の競輪事業の向上策について、具体的な取り組みをお聞かせください。
 また、大きく視点を変え、競輪事業が50万都市構想実現のため果たす役割について、私なりの考えを申し上げ、市長の御所見を賜りたいと思います。
 市長は、50万都市構想を政策の一つに掲げておりますが、私も同感でございまして、名実ともに東瀬戸内海の中核都市として「瀬戸の都・高松」の早期実現を望むところであります。
 そこで、周辺1市10町で構成される広域都市圏主催の競輪を開催してはいかがでしょうか。今後50万都市構想を進めていくには、周辺町の深い御理解と御協力がなければ、単なる構想に終わるものと思われます。
 去る9月7日に設置された広域都市圏整備推進協議会等を通じて広域的連携の拡充を進めるため、広域都市圏広報紙の発行や広報シンポジウムの開催などを検討されているようでありますが、圏域町の財政援助の一環として競輪を開催し、その収益を、周辺町住民の福祉向上のために活用していただくことはいかがでしょうか。市長の御所見をお聞かせ願います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。