平成 5年第1回( 3月)定例会  3月15日 05号
 議会議事録より

◆13番(鎌田基志君) お許しをいただきまして、私は、以下2点について質疑をいたします。
 さきの質疑と重複する点もあろうかと存じますが、私なりに観点を変えて質疑をさせていただきますので、市長の明確なる答弁をお願いいたします。
 まず、都市計画区域外の土地開発についてお伺いいたします。
 本市は、大正14年から都市計画法を適用し、順次、都市計画区域の変更を行い、昭和44年6月に新都市計画法が施行されたことに伴い、本市を初め丸亀・坂出の各市及び牟礼・宇多津両町を含む県中央部の一体的都市計画を確立するため、昭和46年9月21日、香川中央都市計画区域が指定され、同年10月20日に市街化区域及び市街化調整区域の決定が行われております。いわゆる線引きであります。
 その後、昭和57年12月28日に臨海部の埋立地約28ヘクタールを、さらに61年3月28日には太田第2土地区画整理事業の都市計画決定に伴い、同施行予定区域内の市街化調整区域245ヘクタールを市街化区域に編入し、現在に至っておりますことは皆様御承知のとおりであり、当初決定以来21年間余、本格的な線引きの見直しは行われておりません。
 その間、本市は、県都として、また、四国の中枢管理都市としての機能を高めるため、港頭地区や瓦町駅周辺の再開発を初め、大規模な土地区画整理事業を推進しておりますことは十分評価できるものであります。しかし、その一方で、市街地周辺部において無秩序な開発が見受けられ、不良住宅の出現や交通体系の不整備等により、都市機能の低下や市民生活への悪影響が懸念されております。
 山田地区においても、その例外ではございません。山田地区は都市計画区域外であり、加えて市街化区域内の地価高騰に伴い、市街化調整区域を飛び越え、現在、無秩序に農地の住宅化が進んでおります。山田地区において農地法の規定による5条申請にかかわる農地転用面積を見ましても、昭和62年が4万2,669平方メートル、63年が4万8,807平方メートル、平成元年7万8,684平方メートル、2年6万3,491平方メートル、3年10万5,789平方メートルとなっており、最近5カ年間の合計は33万9,440平方メートルにもなっております。
 また、人口・世帯数も、昭和62年4月1日に1万6,432人4,563世帯であったものが、平成4年4月1日には1万8,310人5,514世帯と、この5年間で、人口で1,878人、世帯数で951世帯増加しております。特に、東植田町・西植田町・菅沢町・池田町においては、人口・世帯数とも横ばいか、わずかに減少ぎみであることを考えれば、川島・十河地区の宅地開発が、いかに早いスピードで進んでいるかが御理解いただけるのではないでしょうか。
 これは、小学校等への転入生の多さにもなっており、川島小学校を例に挙げれば、昭和62年に27人、その後、25人、25人、37人、28人、24人と、毎年、小学校へ入学する児童数の4分の1という多くを数えております。
 さて、本市では、市内において行われる開発行為に対し、無秩序な開発を防止するため高松市開発指導要綱を昨年3月3日に公布し、4月1日から施行しております。しかしながら、山田地区内の開発には、この指導要綱は当てはまらず、しかも、木造2階建てまでは建築基準法も適用いたしませんことから、建ぺい率も容積率も何の制限もなく、土地いっぱいに家が建てられるのであります。しかも、開発造成した宅地で、幅員2メートルの道路があればよいことから、消防自動車や救急車、さらには、ごみ収集車も入れない団地が出現しているわけであります。もちろん、集会場・公園・緑地・ごみステーションもありません。
 そこで、まずお伺いいたしますが、時の流れに伴い、時代も変わっているにもかかわらず、当初決定から21年余も本格的な見直しがされていない、いわゆる線引きについて市長の基本的な考えをお示しいただくとともに、山田地区のように無秩序とも言える宅地開発が進んでいる現状をどのように受けとめ、今後どのように対処されるのか、あわせてお答えください。
 次に、国際交流センター及び女性会館の整備についてお伺いいたします。
 総合体育館・美術館・図書館等の整備を終えた今、国際交流センターと女性会館の整備は、市民会館の建てかえとともに市政の重要課題であり、関係団体や市民の関心も高まっております。
 さて、本市市政運営の指針となる第3次総合計画には、国際交流センターの整備、女性会館の整備が、それぞれ位置づけられており、昨年5月、助役をトップとする庁内検討委員会が発足し、機能や規模・立地場所など整備に向け具体的な検討がされているやに聞いておりますが、庁内検討委員会の報告はまとまったのでしょうか。まとまっているのであれば、その内容について御説明いただきたいと存じます。
 また、国際交流センターの整備に関連して、昨年12月定例会において、我が同志会 阿部議員の代表質問で、市町村共済会館の跡地利用についてただしておりますことは御承知のとおりであり、その際、市長は、立地条件、公共施設用地としての条件を十分に備えた物件であるので、既に市町村共済組合と取得協議を進めており、庁内検討委員会においても、国際交流センターの有力な候補地として検討している旨、答弁されております。
 当初、女性会館との複合施設を考えておられたようですが、さきの穴吹議員の御指摘にもありましたように、同会館一帯は、都市計画法に基づく第2種住居専用地域に指定されており、事務所としての利用は、原則、地上2階、延べ床面積1,500平方メートルまでに限られるわけであります。つまり、5階建ての建物を買い取りながら、使用できるのは、従来、事務所として使用していた既得権分とあわせて3階の一部までであります。
 私は、市町村共済会館を取得することにはやぶさかではございませんが、前段申し上げましたように、本市の目指す国際交流を推進する拠点施設として十分に機能が果たせるのか疑問であります。
 そこで、お伺いいたしますが、市長が考えておられる国際交流センターの機能とはどのようなものか。また、市町村共済会館を国際交流センターとして利用した場合、市長が考えておられる機能は十分果たせると考えておられるのか、あわせてお答えください。
 なお、国際交流センター整備に関連する問題として、旧空港跡地に移転が決定している県立図書館の利用について、さきの県議会本会議でも論議されたようでありますが、新年度に具体的な整備内容を検討するため予算を計上しております。
 この県立図書館の跡地利用については、平成3年9月定例会において、我が同志会の山田議員が市当局の考えをただしておりますことは御承知のとおりであります。その際、市長は、「公園施設につきましては、都市公園法により公園の効用を全うするために設けられる施設と……定義されており……これらを踏まえて整備することが本来であり……私といたしましても強い関心を持っておる……中略……今後、市議会の御意見もいただき、県と協議し、検討」したい旨の答弁をされております。
 さて、都市公園法には「公園施設」が規定されており、同施行令には「教養施設」として「図書館」は明記されておりますが、国際交流の拠点施設については規定されているようには見えません。
 そこで、まずお伺いいたしますが、県が計画している国際交流施設は、都市公園法に言う公園施設でなく、法に反すると考えられますが、市長はどのように考えておられるのか、お答えください。
 現在の市民会館建設に伴う過去の経緯は承知いたしておりますが、私も山田副議長同様、県立図書館の跡地利用については、昭和61年に都市公園として開園し、多くの市民の憩いの場として親しまれていること、さらに、現在、公園を充実させるための工事を実施していること等を踏まえ、さらに、今以上に多くの市民が憩える充実した公園につくり上げることを考えるならば、本来の都市公園用地に戻すことが最善であり、さらに、その整備にあわせ中央駐車場を拡張すれば、駐車場不足の解消策の一つにもなります。市長の所信を明確にお示しください。
 なお、先日の新聞報道によれば、県立図書館の利用について、市当局に正式に話はないとの記事が掲載されておりましたが、図書館以外の施設として利用するときは、市と協議する旨の約束が交わされているのではないでしょうか。県から図書館を国際交流の拠点として利用する旨の協議はあったのでしょうか。協議もなく予算化したのであれば納得できません。この点、市長はどのように受けとめているのか。また、今後どのように対処されるおつもりなのか、あわせてお答えください。
 なお、県・市間の土地の賃借関係を、この際、整理することも、市長の所信表明で言われた、受け継ぐべきものと変えていくべきものを間違わずに見分けていくことになろうかと思います。
 そこで、お伺いいたしますが、現在、市から県に対し貸し付けている土地はどこか。反対に、県から貸し付けを受けている土地はどこか、お示しください。また、今後、これらの土地をどのように整理されるのか、市長の明確な答弁をお願いいたします。
 また、女性会館につきましても、中野町の公共職業安定所跡への立地方針を固められたようで、今議会に実施設計費・地質調査費等として1,566万7,000円が計上されております。
 女性会館は、女性の自主的な活動を助け、自立を促す拠点となる施設であり、近年の女性の地位向上に大きな期待を寄せられるものであり、早期完成を望むものであります。
 しかしながら、立地場所について、多少問題があると思われます。場所的には、四国新聞社の南側、中央通りに面した市有地で、前述のとおり、昭和62年まで県に貸し付け、職安として利用されておりました。ここまで聞くと、1等地のように聞こえますが、面積は330平方メートル弱と狭く、地形がウナギの寝床のようで、間口が狭く、奥行きが深くなっております。このような土地に鉄筋4階建て、延べ約1,000平方メートルの建物を建設するやに聞いております。
 問題は、駐車場スペースが1台もないということです。聞いてみますと、中央通りで、バス──交通の便がいいからという御意見でございますが、現代の車社会で駐車場のない公共施設は考えられません。市長は、この問題に対してどのように対処するおつもりでしょうか、お答えください。
 そこに土地があるから、つくるというのではなく、つくるからには、市民の利用しやすい場所を時間をかけてでも探すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上で私の質疑を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。