平成 4年第3回(9月)定例会 9月21日 04号
 議会議事録より

◆13番(鎌田基志君) お許しをいただきまして、私は、以下3点について一般質問をさせていただきます。一部重複する点もありますが、御了承いただきたいと存じます。
 まず、学校週5日制に伴う社会教育施設の対応についてお尋ねいたします。
 学校週5日制の実施については、学校教育課程のあり方、学校運営上の問題とあわせ、休業土曜日の子供たちの過ごし方、その受け皿づくり等について、これまで種々論議がなされてきたところであり、いよいよ今月12日の土曜日から実施されたことは御承知のとおりであります。
 第1回目は、新聞報道等によりますと、各地で多彩な行事が実施され、子供たちは友達同士で遊んだり、親子の触れ合いやボランティア活動に参加するなど、それぞれの方法で、この休日を過ごしたようであります。学校週5日制は、子供たちにゆとりを与え、学校以外の場、すなわち、家庭や地域で生きた教育が期待できる絶好の機会と考えるものであります。
 本市では、今議会に、幼稚園・小中学校を開放して指導員を配置するための予算が提出されておりますが、学校週5日制の基本は、あくまでも地域や家庭に子供たちを帰し、そこで過ごすことに意味があるのでありまして、休業土曜日を学校開放で対処せざるを得ないということは、一面では、社会教育施設などの受け皿が不備であることを示しているとも言えるのではないでしょうか。休みの土曜日に何をしたいかという、あるアンケートを見ますと、全般的に外で遊びたいという傾向があらわれてきております。
 さて、我が同志会の代表質問で大熊議員が、学校週5日制に伴い開放した学校施設の利用状況をただしておりますが、利用はわずかであったようであります。学校週5日制初日、地域ぐるみの取り組みは多彩に行われましたが、開放された学校施設の利用はわずかであったことは何を意味しているのでしょうか。学校週5日制の実施についての文部省の通知には、「学校施設の開放のほか、公民館、図書館、博物館、青少年教育施設等の社会教育施設……文化施設など幼児児童生徒の利用できる場所の確保に努める」こととあります。
 そこで、私は、公民館に絞ってお尋ねいたしますが、本市の公民館は、これまでも多くの市民に指摘されているところでありますが、児童生徒が、ほとんど利用できない、入りにくい施設になっているのが現状でなかろうかと思います。種種の理由で休業土曜日を家庭で過ごすことができない児童生徒にとって、小学校区ごとに設置させている公民館を、もっと利用しやすくする必要があると考えますが、これに対する当局の考えをお聞かせください。
 また、公民館を、子供たちにとって、より親しみやすいものにするために、児童生徒を対象とした公民館講座を開設する考えはないか、お伺いいたします。
 次に、学校週5日制に伴う第2土曜日の文化施設の無料化についてお伺いいたします。
 このことについては、既に新聞等で一部報道されておりますが、香川県教育委員会では、県文化会館と瀬戸内海歴史民俗資料館の2施設を9月から毎月第2土曜日を無料開放する。また、丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館のほか、県内8施設でも同様に無料開放して、休業土曜日の受け皿として、子供たちを積極的に受け入れることを考えているようであります。文化施設の中でも、とりわけ美術館は、子供たちにとって豊かな感性を磨き、望ましい人間形成を図ることができる重要な施設であります。人生の、できるだけ早い時期から美的雰囲気の中で過ごし、美に対する関心を高めていくことが情操教育の上からも大切なことだと考えます。
 仄聞するところでは、兵庫県や福岡県では、県内の文化施設を、第2土曜日だけに限らず、日曜・休日等の年間を通じて児童生徒が無料で鑑賞できる制度を設けているとのことであります。本市でも、学校週5日制が実施に移された、この機会に、当面、第2土曜日だけでも美術館の無料開放を行うことを検討してはいかがでしょうか。
 また、11月オープン予定の菊池寛記念館や歴史資料館についても同じ扱いをしてはと考えますが、当局の今後の方針をお尋ねいたします。
 次に、環境美化問題についてお尋ねいたします。
 いよいよ東四国国体開催まで349日となりました。本市においても、施設整備も終わり、それぞれのリハーサル大会を開催し、その準備に万全を期しているところであります。
 私は、昨年の石川国体開会式を視察しましたが、市民ボランティアの温かいもてなしに加え、川を流れる水が澄み、また、道端の美しい花、とりわけ道路に、ごみや空き缶・たばこの吸い殻等が目につかず、何と美しい町だろうと深い感銘を受けたのであります。来年の東四国国体には、全国から大勢の選手・役員等が本市を訪れると予想されますが、選手・役員等に、心から来てよかった、また、ごみのない美しい町であるといった、よい印象を持ってもらいたいと思っているのは皆様と同じであります。
 さて、本市では、「市民ひとりひとりが自覚し、「私たちのまちは私たちの手で」という郷土愛と自治と連帯の精神のもと、清潔で美しいまちづくりを強力に進める」ため、昭和54年9月に環境美化都市宣言を行っており、中央通りの清掃を初め、道路の花壇の整備などを実施しておりますことは御承知のとおりであります。
 しかしながら、空き缶や吸い殻のポイ捨ては、市内の至るところで目につくのは、なぜでしょうか。来年の東四国国体を初め、平成6年度には「ねんりんピック」の愛称で親しまれている全国健康福祉祭、さらに、平成10年には、全国高等学校総合体育大会と、全国規模の大会が予定されており、全国から多くの人が本市を訪れることになります。
 そこで、多くの人に高松は美しい町というイメージを持ってもらうため、加えて、市民の環境美化意識を向上させる一施策として、空き缶や吸い殻などのポイ捨ての一掃を目指すための条例づくりが必要になってきているのではないでしょうか。
 和歌山市では、県庁所在都市では初めて、空き缶や、たばこの吸い殻の投げ捨てに罰金を科す「美化推進及び美観の保護に関する条例」を制定しております。条例の内容については皆様御承知のことと思います。確かに、他の法律等の整合性など賛否両論あったようですが、新条例が、美観保護の認識を高める効果を持つとの意見が最終的に大勢を占め、条例が成立したやに聞いております。
 また、徳島県では、昭和63年に、11項目から成る空き缶条例を制定したのでありますが、罰則規定などはなく、モラルに訴える内容になっていることから、空き缶の散乱状況は改善されておらず、条例内容の見直しを求める声もあるようであります。
 市民のモラルの向上に訴えることで問題が解決すれば、一番よい方策であると思いますが、全国で問題となっている違法駐車の問題を見てもわかりますように、条例等を制定し、自治体が積極的に取り組むことが必要ではないでしょうか。この際、和歌山市や福岡県北野町が制定したように、罰則つきの空き缶や吸い殻などのポイ捨てを防ぐための環境美化条例制定を検討する必要があるのではないでしょうか。罰則をつけるとなると、警察も含め、だれが取り締まるのかなどの問題点もありますが、私は、単に美観の面から空き缶等の投げ捨てを禁止するのではなく、空き缶等のリサイクルなども組み込んだ条例づくりを前向きに検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお示しください。
 さらに申し上げるなら、環境に関する条例をつくるのであれば、対象地域が広いほど大きな効果が期待できるのではないでしょうか。福岡市と周辺の自治体で組織する福岡都市圏広域行政推進協議会では、来年3月をめどに広域環境条例を制定する方針であるやに仄聞しております。
 そこで、本市でも50万都市圏構想の実現に向け取り組んでいる今、その実現の一方策として、周辺自治体との協力のもと、広域環境条例づくりについても、さらに検討する必要があるのではないでしょうか。市長の御所見をお聞かせください。
 次に、放置自転車のリサイクルについてお伺いいたします。
 この問題については、さきの6月定例会でも論議され、国際交流の一施策として、市長も、適正に管理することが確認できれば、市内在住の外国人留学生・研修生に対し貸し出しすると前向きに答弁されておりましたが、去る9月1日から施行された放置自転車リサイクル要綱によりますと、放置禁止区域などから撤去し、スクラップにしていた自転車のうち、リサイクルが可能な自転車を適当と認める団体に無償で貸与し、整備は各団体の責任とするなどの条件としているようです。私も、撤去自転車処理に費やしていた経費や、ごみ減量・資源化の観点からすれば積極的に対応することが必要だと思います。
 そこで、お伺いいたしますが、現在、各種団体からの申し込み状況について具体的にお示しください。
 また、このような制度は、広く市民に周知すべきことであり、広報紙等で積極的にPRすべきだと思いますが、これについてのお考えもお示しください。
 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。