(紹 介)
今回登った大座礼山は、一昨年の四国の水不足で一躍有名になった、早明浦ダムの近くにあり、四国の脊梁山脈のほぼ中央に位置する山です。山名は山の南面にあるザレ場に由来するという説がありますが、それよりもこの山の魅力は豊かな自然林、とりわけ森の王様と呼ばれるブナの古木が多いことだと僕は思います。
(日 付) 平成8年5月26日(日)
(山 名) 大座礼山 標高1588m (2等三角点)
(所在地) 高知県大川村
(交 通) 高知自動車道大豊ICから国道439号線を土佐町に向かう。田井の町を
直進し、右手にJAとAコープというマーケットのある信号を右折する。
南越トンネルをぬけて左折すれば、すぐに早明浦ダムにかかる赤い吊り橋
(上吉野橋)を渡り、ダム湖の左岸、県道17号線を吉野川の上流に向かって
30分ほど走り小さなトンネルをくぐると大川村役場のある小松に着く。
町外れの小松川橋手前を右折し、県道高知伊予三島線を大北川に沿って
上流に向かい30分で林道入口に着く。
−−−−−−−<『高知県の山』より引用>−−−−−−
(コース) 林道入口←→登山口←→大田尾越←→ブナの巨木←→三角点ピーク←→
←→大座礼山頂
(天 候) 晴れ ときより心地よい微風
(参加者) 5名
《メ モ》
今回は自分が担当者と言うことで(っと言っても登る山を決めただけで、あとは何にもやっていないという、おそまつなリーダーですが・・・ (^_^)々)、みんなよりちと早めに集合場所に到着しようと思っていたのですが、毎度毎度の朝のバタバタで、結局今日も間に合いそうもない! (^^;;
集合場所まで送って貰う車の中では娘はまだ夢の中。ゆりかごのような振動が気持ちよさそう。 (^^) 途中コンビニで朝食と行動食を買い込む。
7:33 またしても遅刻! 3分遅れで集合場所の南国IC『道の駅』に到着すると、すでに全員集合完了していた! (^_^)々
7:40 娘の寝顔と妻に見送られて、南国ICより高知自動車道へ。トンネルばかりの高速道路だが、その切れ間から見える山は新緑の緑が鮮やかである。
8:00 高速を大豊ICで下り、車窓から見えるツツジやフジに感嘆の声を上げながら大川村を目指す。一昨年の四国の水不足のおかげで、一気に全国区になった早明浦ダムを左手に見ながら走っているうちに、ミーハーな僕らは、”ダムの底に沈んだ旧大川村役場が見えないかなぁ・・・!”っということになり、車を止めてダムをのぞき込んでみるが、春の水面(みなも)は小さく波打ち、キラキラと陽光を散らすだけで、想像力だけが脳の中に虚像を結ばさせてくれる。
小松からの県道高知伊予三島線は舗装もなく、狭く曲がりくねっており、友達から買ったばかりのトレノを運転するT君は、車の底を擦らないように、ゆっくりと慎重に進めるが、それでも5・6回は悲しくなるような音を聞いただろうか。 (^_;) 道が舗装されてから5分ほど行くと県道が右に大きく屈曲したところに林道の入口があった。
9:25 ここが登山口であり、すでに3・4台の車が止まっていた。今日はウグイスやシジュウカラに混じってツツドリの響きのある声が迎えてくれ、高原の朝という気分にしてくれる。・・・などといい気分に浸っていると峠から下ってきた軽自動車が目の前に止まり、威勢のいいおばちゃんがマシンガンのように自分の用件を土佐弁で打ち込んで走り去っていった。
”仲間の荷物を3人分車に乗せてきたのだが、その荷物を預けた人らとはぐれてしまった・・・”っということらしい。おそらく彼女の同行者達は井野川の登山口にでも向かったのだろう。それよりも僕は、そのおばちゃんの声に聞き覚えがあるような気がしてならなかった。
僕らより10分ほど遅れて、西条から194号線経由で来たNさんが到着した。いつもの美声が風邪で失われていた。熱はないとのことであるが、この風邪をおしてまで山行に来る彼女は、さすが我が会の名付けのおや、自然大好き人間である。 (゚o゚)
9:45 ここまで車を運転してきてくれたT君は胃が痛いと言うことで、残念ながら登山を断念し、彼を残し心配な気持ちに後ろ髪を引かれつつ歩き始める。林道を3分程歩き沢を超えたところに車の進入を防ぐためのテープがわたしてあり、そのすぐ先から右に急登の登山道が始まる。右手に沢の音を聞きながらジグザグに高度を上げていく。道ばたにはスミレの仲間や名も知らぬ小さな白い花が優しくほほえみかけてくれているが、それにしても出足からのこの急登は体にこたう。
10:10 沢を渡り、さらに一頑張り。しかしながら30分も歩かないうちに第1回目の休憩。 (^^;; まあ、『ポレポレ』という会の名の通りゆっくり休み休み行くことにしよう。
10:15 再び植林の中のツヅラ折れ道を登りはじめ、5分ほどすると徐々に傾斜も緩やかになってくる。左手の視界が開けており、青空の下新緑が美しい山並みが見渡せる。ガイドには”春には山肌をピンクに染めるアケボノツツジのすばらしい眺めが展開する場所でもある・・・”っとあるが、残念ながらもう散ってしまったあとらしく、時より登山道に落ちた花を見る程度である。
歩を進めるたびに足下のサヌカイトがカラカラと金属的な音をたて、その中で特に音色のいいものをTさんが拾い、”火の用心! (^_^)”と拍子木のように打ちながら歩く。しかしながらたたき続けていると、すぐに薄く剥がれるように欠けてしまいせっかくの音色が変わってしまう。そうなると拍子木もただの石ころにもどることになる。そんなことをしながらブナやミズナラ、リョウブ、シロモジなどが混在する自然林の中の緩やかな道を歩いていると、さながら森の散歩道の気分であり、ミソサザイやオオルリ、ヒガラなどもこの演出を盛り上げてくれている。先ほどまでのあえぎあえぎ登った苦労などは、もうすっかり忘れてしまった。
30分ほどそんな道を行くと、登山道に大きく盛り上がった岩を乗り越える。その岩のまわりだけにシャクナゲがあり、それを過ぎたあたりから植林の明るいヒノキ林に変わってくる。沢を渡り沢の石を積み上げて作ったようなごろごろした急な登りを過ぎて、背の高いササが徐々に目立つようになってきた中を少し行くと井野川越にでた。
11:05 『山頂まであと30分だよ!』と道標に書かれてある。コルの分岐を右に、傾斜のあるリョウブの林の中をジグザグに、時より頭をぶつけながら行くと、すぐ眼前でウグイスが鳴き始め、僕らが姿を確認し終わるのを待つようにいつまでも谷渡りの声を続けてくれていた。Tさんは久しぶりにウグイスを間近で見たと感激していた。 (^_^)
「もう山頂が近いのにブナの古木なんてないじゃないのよぉ! (>_<)」っという言葉が漏れはじめた頃に、突然登山道の左のササの中に大きなブナが現れた。 (゚o゚) すぐに薮に分け入り幹の太さを確かめに行く。大人3人が手をつないで一周する程度である。木肌はコケにおおわれておりいかにも”木”といった風格である。水の吸い上げの音を聞こうと耳をあててみるが、ザーとか、ときどきピチッという音が聞こえたが、それが目的の音なのか、上空に大きく広げた枝を吹き抜ける風の仕業なのかは分からなかった。
登山道に戻り、山頂を目指し歩き始めると、そこからはもっと大きなブナがごろごろする見事なブナ林だった。最初のブナにあわてて飛びついてしまったせっかちな僕らを諭すがごとき落ち着いた姿。無数に枝分かれして陽光を受けとめようとする枝。それらを支えるために太い根を四方八方に踏ん張っている。幹周りは大人4人で一周することができるだろうか・・・! (゚o゚)
ここで休憩をしていこうかとも思ったが、アベックが楽しそうな語らいをしてるのをみつけ、遠慮することとし、そのまま山頂へ向かった。最後の登りを一頑張りしたら、程なく視界の開けた三角点ピークに着いた。
11:40 ピークではすでに5・6名の先客がお昼御飯を楽しんでおり、四畳半ほどのスペースの中に、僕らの豪華なランチを広げる場所を見つけるのは難しそうだったので、もうちょっと先に行ってみることにした。
そこから先は手入れも悪くスズタケが延びほうだいで大座礼山頂(1590m)でも視界はなく、AさんとTさんがその先も見に行ってくれたが、結局お昼御飯は三角点ピークに戻ることにした。
11:55 ピークに戻ると四畳半はすいており、そこに居合わせた徳島からの登山者と一緒に、まずはビールで乾杯! (゚o゚)
本日はみんなで持ち寄って鴨鍋でぇ〜すっ!登山口に残してきたT君ご免なさい。 m(_._)m
眺望はと言うと平家平や赤いし山系、赤星山、東光森など徳島の人に教わったほかにも、すばらしい山並みが続いていた。
・・・っとそのときTさんが、真上にある太陽の周りに虹のリングができているのを見つけた! (゚o゚) みんな”日輪”だとか”ブロッケン現象”だとか言っていたが、本当は何という現象で、どうして起こるのでしょうか??
巨大なハエやアリと格闘しながら鴨鍋をつついていると、ピ〜ッ ピ〜ッとホイッスルの音が近づいてくる。この笛の正体は登山口で合った元気なおばちゃんであった。
彼女はリーダーらしく、”登山中に仲間がはぐれてしまった・・・、まったく勝手なことばかりやられるとこまっちゃうのよねぇ・・・! (>_<)”っとまたまた土佐弁マシンガンをぶちかましてくれた。僕はこのとき思い出し確信した。このおばちゃんは、僕がこの山の会を作ろうとしたときに、何度か電話をくれて、その度に”ありがたい(?)”お説教をながながとして下さって、けっきょく入会してくれなかったという威勢のいいおばちゃんであることを!! (゚o゚)
きっと彼女のパーティーの人は、”はぐれた”というよりも、”昼御飯くらいは彼女から開放されてゆっくり味わいたい・・・”っとでも思って、別行動をとったのであろう。 (^_^)
12:50 山頂での記念撮影を終え、先ほどのブナの森でコーヒータイムにすべく、下山を開始した。登ってくるときには気が付かなかったが、下り初めてまもなくの所にアケボノツツジが咲いていた。AさんとNさんは初めて見たらしく、しばらく独特の花様とピンクの花に見入っていた。
13:10 一番大きそうなブナの根本に腰かけて、カプチーノタイムとした。先客の二人の女性が気持ちよさそうに昼寝を楽しんでいた。まったく、ここではゆったりと時間が流れているようである。
13:37 井野川越のコルに出た。ここからはまたすばらしい森の散歩道をのんびりとくだる。傾斜が再びきつくなり始めたら登山口はもう間もなくである。途中の沢で水をすくって飲んだが、豊かな森林が一度蓄えた水は、冷たく甘いような気もする。しばらく下ってからTさんがT君へのおみやげにと、わざわざその沢まで汲みに戻ってくれた。
左手に沢の音を聞きながらそれを待っていると、Nさんが、「この辺の感じが笠ヶ岳の下りになんとなくにてるのよねぇ。」とぽつり。
14:37 井野川越のコルからちょうど1時間で林道に出た。すぐに水をくめる沢があったが、先ほどくんだ水の方がおいしいと信じて、わざわざくみに戻ってくれたTさんを慰める。 (^_^)
登山口で待っていたT君は、胃の痛みは治ったが、僕らのあとを追いかける気にはなれず、車の中で昼寝をしていたらしい。彼は仕事がら生活のリズムが不定期であり、今朝も準夜勤明けで朝食を食べていなかったらしい。
T君に山頂であったおばちゃんの話をしていると、噂をすれば何とやらで、そのおばちゃん達が下山してきて、またまた土佐弁マシンガンを暴発させながら通り過ぎていった。
ううっ、”百聞は一見にしかず”、T君へのどんな説明も不用となってしまった。
本日はブナの巨木、豊かな森林、山頂での太陽の周りの虹のリングと鴨鍋、そして忘れられないマシンガンおばちゃんとの出会いが印象的な山行でした。 (^_^)
実は家に帰ると妻も娘も出かけていて、そんなときに限って鍵を持っていない! (^^;; そんなわけで締め出しをくった玄関先で、ビールを飲みながら行動食の残飯処理をして、その日の山行を締めくくった。
元に戻る