《笹ヶ峰山行報告》

              (日 付) 平成8年4月29日(月)
(山 名) 笹ヶ峰   標高1860m (1等三角点)
(山 域) 愛媛県西条市 石槌山系
(交 通) 松山自動車道西条インターチェンジで下り国道194号線の下津池から橋を
     渡り、林道を約9キロ行ったところに登山口があり、付近には車5・6
     台分の駐車スペースがある。
(天 候) 曇り
(メンバ) ポレポレ山楽会 9名(視障者2名)
     FYAMAer    竹村義仁さんとそのお友達3名
            孫さん
            かもぶた3さん
     RKC高知放送スタッフ   3名
(コース) 登山口→宿→丸山荘→笹ヶ峰山頂→丸山荘→登山口

《山行記》
 ”ううん、眠たいぃ〜っ!”
 日頃から早起きが苦手な僕ですが、子どもが生まれてからはそれに輪をかけるように、寝起きが悪くなってしまった。夕べの親戚の婚礼で流し込まれたアルコールは、どうやら一晩で肝臓くんが分解してくれたらしい。
6:20 Oさんが迎えにきてくれ、娘の泣き声と、妻の寝不足の青白い顔の中の恨めしそうな目に後ろ髪を引かれつつ、”いってきまぁ〜すぅ! (^^;;”
 天気予報は曇りで午後から雨との予報。”どうにか下山するまでもってくれれば・・・”っと願う。
 今回はパソコン通信のつながりで大所帯となっており、”集合場所にみんなあつまれるだろうかぁ・・・”というのが最初の心配事であった。
7:15 15分遅れでみんな揃い、簡単に名前だけの自己紹介ののち、南国ICより、松山自動車道西条ICを目指す。
ゴールデンウィークのわりに高速は比較的すいているように思われた。西条ICが近づくと左前方に石槌の雪をかぶった鋭いピークが曇天の雲の中に突き刺さっていた。その姿を感じたとき、何故か久しぶりの登山のような喜びが沸き上がってきた。
8:20  西条ICを下り国道11号線よりくねくねと曲がりくねった194号線に入り、いよいよ目指す笹ヶ峰が見えてきた。先週Oさんが大座礼山から眺めたときは雪におおわれていた峰も、この1週間の暖かい陽気で、笹ヶ峰の名の通り緑のゆったりとした頂稜を見せていた。
 下津池より橋を渡り林道に入りみなの待つ登山口に急ぐ。林道脇には山桜やツツジが美しく、樹林の中からは春の鳥のさえずりがにぎやかである。林道の舗装もなくなり、車の音が一層大きくなった中で、一瞬コマドリの声を聞いたような気がしたが、その日はコマドリらしき声はそれだけだったので、ウグイスの谷渡りの声と聞き間違えたのだろう。だいたいウグイスとコマドリを聞き間違えるなど、僕のバードヒヤリングもたいしたものである!  (^_^)々
9:10  笹ヶ峰の登山口に到着すると、すでにNさんとFYAMAerの孫さん、かもぶた3さんはお待ちかねだった。
 兵庫からバイクで四国の6峰をハントしにきている孫さんが、暖かく大きな手で握手してくれた。優しく誠実そうな印象である。竹村さんも心強い山男と言う感じだ。かもぶた3さんはネット上でのイメージ通り優しく面白いおとうさんであった。今後ネット上で見かける3人の名前に表情がついて、パソ通がますます楽しみになりそうである。
9:30  かもぶた3さんは、登山口脇の沢を登っていきたいようであったが、せっかくだからということで、みんなに足並みを合わせてくれることとなった。
 とうくろうさんに教えられたオオルリの声に送られながら緩やかに登りはじめる。しばらくは右下から沢の音が続く。樹林の中の道は風もなく、ときより沢から吹き上がってくる風が心地よい。10分も歩かないうちに熱くなり、ウィンドブレーカーをザックにしまう。
 登山道はよく整備されているが、ところどころ鉄のパイプを埋め込んで階段を作ってあり、靴を通して伝わる冷たい感触が少し残念である。雨や雪の時も滑りやすいだろうに・・・。しかしながら路傍の植物がつけた小さな花々は優しい気持ちにしてくれる。
10:15  ややきつい斜面をジグザグに登り切ると石垣が見えてくる。ここがかつて西赤石の別子(べっし)銅山へ運ぶ木炭の集積地として開かれたという宿であろう。このあたりまでは主に植林の林であり、宿の周辺はヒノキ林である。Nさんがそのうちの1本の真っ直ぐのビル幹と、その足下にのびてきている若木のみずみずしくやわらかな新芽に触れさせてくれた。”ふっ!”っと家に残してきた妻と子どものことを思う。
10:30  宿を過ぎると、やや道は緩やかとなり、周囲もブナやツガ、ダケカンバなどの混生林となり足下には笹が目立つようになってくる。耳にはミソサザイやウグイス、カラ類などの春山のコーラスが嬉しい。
 樹林が少し開け明るくなってきたあたりで、一匹の犬の登場。この犬は丸山荘の犬らしく、登山者を山頂まで案内してくれるというので有名らしいが、僕らとはちと気が合わなかったらしく、お見送りされてしまった。
 山荘が近づくと階段もきれいに整備されてきて、宿から30分程で丸山荘に到着した。
10:55  「ここって学校だったの?」っという声がどこかから聞こえてきたが、木造二階建の小屋は、さながら山の中の分校と言った佇まいらしい。今回初参加のUさんが気分が悪いという、ちょっとペースが早すぎたのかも知れない。とうくろうさんの奥さんとここに残ると言う。ちと申し訳ない感じがした。   m(_._)m
11:10  孫さんが、「この山は大きな山だねぇ!」っと教えてくれたピークを目指し、再び歩き始める。っとほどなくスキー場を横断する。スキー場と言ってもリフトやコースが有るわけではなく、天然の笹原なのであるが、ここまで板を担いできて滑るのも、”また一興”であろう。
 樹林の中の道にはときどき雪がのこっていて、それをとうくろうさんが僕のストックでつつかせてくれる。
 樹林帯が切れて笹原の中のジグザグ道になると、先ほどの丸山荘が左下方に見えてくる。ずいぶんと登ってきたような気がする。・・・と言っても稜線までは、まだまだ一頑張りという感じである。   (^^;;
 しばらく登ると正面に石槌の北壁が目を引くようになる。曇っているが視界はなかなかのようである。左上の方から人の声が聞こえてくる。頂上だろうかぁ・・・   (^^;;
 寒風山からの縦走路を過ぎた頃には、すっかりばてていた。後ろのサポートをしてくれているAさんも疲れているのか指示の言葉がほとんど出なくなる。前を歩くとうくろうさんは元気に、ザックヲ通して僕を引っ張ってくれている。「とうくろうさん、鼻をかむからちょっとまって!」っと僕は言って、ゆっくりとポケットの中からちり紙を引っぱり出して、ゆっくりとちり紙をひろげて、これまたのんびりと鼻をかんで、ゆっくりとそれをしまう。そんなことを2回はしただろうか。
 すれ違った人達が山頂が近いことと、強風が寒いことを教えてくれる。その言葉を頼りに、傾斜の緩やかになった稜線の道を、道脇のコメツツジの枝に袖を引っかけながらようやく山頂にたどり着く。このコメツツジが咲きそろう頃に再び訪れてみたいものである。

写真/頂上での記念写真 12:05  山頂は遮るものが何もなく、強風が体温を奪ってゆく。罰当たりの僕は風避けに不動明王の台座に腰かけて、早速ビールで乾杯!!   (^_^)v 家から凍らせてきたビールは、缶の中でまだシャーベット状の氷を浮かべていたが、それがまた心地よい。
 石鎚山系の筒上、手箱など主だった峰々や、赤いしの山並みも見事らしい。
 少し遅れてみなさんも山頂到着。先ほど気分が悪いと言っていたUさんととうくろうさんの奥さんも、頑張って登ってきてくれていました。   \(^o^)/
 みんな揃ったところで、吹きすさぶ山頂で記念写真をパチリ!
 風を避けて、少し下った笹原で昼食とすることにした。本日の昼食は愛の(^_^)々”ハウスビーフシチュー”(?)である! (*_*)
13:? 下山開始。登ってくるときにはあんなにきつく感じた斜面も、一面の笹原はスキーで気持ちよく下って行けそうな広さである。ダケカンバの木がぽつぽつ出始めてきた頃に、とうくろうさんが樹皮を剥がして手渡してくれた。飲み屋の伝票用紙のように薄く、カーボン紙のような感触である。
 丸山荘から宿までの単調な階段は、催眠術のような刺激で眠気を誘う。宿の手前で、登山道近くのこずえからゲラの木をつつくさえずりが聞こえてくる。巣を作っているのだろうか? 虫を追い出しているのだろうか?
 宿で休憩をしていると、朝の犬が、無事に下山してきた僕らを確認に、再び現れた。
 宿からの道も一気に下り、やがて左手からは沢の音がよみがえり、登山口が近いことを知らせ、心の中で今日の山行の感動を振り返る。鳥達のさえずりも、何故か”お疲れさま”っと聞こえるような気がするから不思議だ。
15:30  下山終了。みなさんありがとうございました。珍しく解散式などをやって、本日の山行を締めくくる。Uさんは、「私は、今日よりも高い山には登らないッ!」っと言いながらも、ポレポレ山楽会への入会を申し出てくれました。ちょっとびっくりしたけど、感動しました。今後ともよろしくお願いします。
   ネッ! m(__)m
 孫さんは、これからバイクで瀬戸大橋をわたり加古川まで、長い帰路。気を付けて下さいネッ!
 かもぶた3さんは、林道の途中で車を止めて、家族へのおみやげのイタドリを必死でかき集めてました。もう、お父さんモードに切り替わっているみたいですね。
 高速道路に入り、竹村さんの車を追い越したとき、後部座席の人達は口を開けてみんな寝込んでいるようでした。竹村さん、運転ご苦労さん、もう少し頑張って下さいね。
 僕も娘のもとに、急ぎ帰ることにしましょう。


元に戻る