『皿ヶ嶺山行報告』

(日 程) 平成8年3月10日(日)
(山 域) 愛媛県久万町 皿ヶ嶺連峰県立自然公園
(山 名) 皿ヶ嶺   標高1271m(2等三角点)
(交 通) 高知市より国道33号線でJR久万バス停。久万町運動公園脇の
      畑野林道途中に駐車。(高知市から約85km。3時間)
(天 候) 曇りときどき小雪
(参加者) 視障者2名。晴眼者5名。(男女比=4:3)
(コース) 畑野林道中腹→畑野川登山口→竜神平の分岐→皿ヶ嶺山頂→
     →三角点ピーク→竜神平→分岐→登山口→駐車地


(メ モ)

 3月の声を聞きさすがに寒さもゆるみ、我が家の周辺でも鳥のさえずりが多くなり、中でもまだ下手になくウグイスの声が耳から春の柔らかな空気を心の中に注ぎ込んでくれる。

  7:00 今日は集合時間に間に合うように、車に乗り込む。時間にルーズな我が夫婦には珍しいスタートだ! ・・・っと思ったのもつかの間、「あっっ、しまったっ! 杖を忘れてきちゃったよ。」 (^^;
 結局みんなを3分程待たせることとなってしまいました。m(_._)m

  8:15 朝倉のスーパーの駐車場でFさんを拾い、いざ皿ヶ嶺へ!・・・っと思ったら、ちと道を間違えて、車は足摺岬へと向いていた。あわてて軌道修正をしたのでそれほどのロスにはならなかった。 (^^;
 久万町が近づくにつれて雲が多くなり、雨でも降り出しそうな感じになってきた。西条から参加のNさんとの待ち合わせ場所は、JRの久万バス停。約10分遅れである。

 10:30 畑野川の林道にはいると小雪が舞い始め、高度が上がるに連れ舗装もなくなり、路傍にも雪が目立つようになって来る。道も大分悪くなってきて(本当はみんなの体重が重すぎたのかも知れないが・・・)車の底を擦ってしまい、しかたなしそこに車を置いて、予定よりも2kmあまり余計に林道歩きをすることになってしまった。

 11:00 歩き始めると、工事で掘り返しているせいか糠味噌の上を歩いているようなどろどろの道が少し続く。そこを過ぎるときれいな林道でうっすらと雪が積もっている。わだちはあるが今日のものではない。両サイドの林の中からは、時よりシジュウカラやホオジロの声が聞こえるが、まだまだ春山の賑わいはない。
 Aさんが林道脇のきれいな氷柱を取ってきて僕にかじらせてくれた、”ううん、冷たくて気持ちいい!やはり、噛んでもカルキ臭くない氷はうまいなぁ。ちょっと甘酸っぱいような気さえする!”
 登山口が近づくと、左手に沢の音が聞こえてくる。

 11:36 少し休憩をして、もらった飴を口に放り込み、笹の間の狭い登山道を歩き始める。やや傾斜がきついので、少し胸が苦しくなる。やはり日頃の運動不足はごまかせない。山道にかぶさった笹のおかげで、スパッツも靴もすぐにびちょびちょになってしまった。丸太の木の橋で、2・3度沢を渡り返しながら高度を上げて行く、僕はすでに息切れがしているというのに、Tさんととうくろうさんの鼻歌が聞こえてる。
 Aさんが後ろから、僕の頭が枝にぶつからないように、頭を下げるよう指示をくれる。しかしながら登山者が少ないせいか迫り出した枝が多く、この山に来てからもう何度おじぎをしたことだろう。
 足下は凍った雪の上にうっすらと新雪が積もっているので、傾斜のきついところでは、とても滑りやすい。後ろのグループと少し間が開いてしまったので、少し待つことにした。足を止めると、自分の息遣いとウィンドブレーカに当たる雪の音しかしない。本当に静かな山だ。
 涸れ沢のような所を渡り、沢から離れ、急登をとうくろうさんのステップに従い登ると、やや傾斜が緩やかになる。

 12:20 少し進むと竜神平との分岐に出る。地図では標高1150mくらいだ。分岐を左に折れてゆっくりと高度を上げていくと、とうくろうさんが、
    「おお、竜の鳴き声だ! (^_^)」と笑う。
 おそらく松山空港から飛び立った、銀色の翼の竜であろう。ゴーっという叫び声が静かな山の中に響きわたる。

 12:40 分岐から20分ほどで、河童の頭のお皿のように狭く平らな山頂に到着した。ガスがかかっていて視界はとても悪い。風はあまりないが、じっとしていると結構寒い。今日は温かい豚汁でぬくぬくしよう!
 ・・・がしかし、僕とNさんの愛の豚汁(かってに”愛の”とつけさせて貰いました。Nさんご免なさい。 (^_^)々)を、みんなの視線が狙っていた。Tさんが、「もっと水入れないと、みんな食べられないじゃないのぉ!」と、すでに当然のように、”ごちそうさまァ〜モード”に入っている。まあ、先においしい手作り厚焼き卵をもらっってしまっているので仕方がないか・・・。

 13:45 ビールも飲み干し、山頂での記念撮影もすませ、尾根を緩やかに下り始め2等三角点のあるピークへ向かう。ときどき壊れた電灯のように、お日様が顔を出したり引っ込めたりしている。
 下りは踵からしっかり接地して、なるべく滑らないように歩く。

 13:50 程なく2等三角点にしては視界の悪いピークに着いた。少しだけ足を止めたが展望がないので長居はしなかった。
 ピークから10分も下らないうちに上林(かんばやし)からの道と、樅ノ木からの登山道の交差点に出た。どちらの道にも足跡はなかった。僕等は右に道を取り、竜神平へ向かう。程なくキャンプ場の施設や小屋が見えてきて、左手には竜神平が広々と視界を開いている。

 14:00 かつては湖であったのだろうか、サッカーができそうに平な湿原が、現在は雪に覆われている。ここが皿ヶ嶺の名の言われという説もある。
 「あの真ん中でトイレをしたら気持ち良いだろうなぁ〜ッ!」と、とある女性がぽつり。・・・などと言いつつ愛媛大学の避難小屋のトイレできちんと用をたしたのち山道に戻り、歩き出すと朝の分岐に出会い、そこからは、登山口まで一気に下る。下りの方が滑りやすく、何度か転びそうになる。
最後の沢を渡る手前で、右の切れた狭い道で、氷で足が滑り転倒したが、樹木が多かったので落ちる心配はなかった。

 14:30 登山口から畑野川の林道に出たところで、とうくろうさんがビールを開けて回してくれた。ちとぬるいがやはり山行後のビールは格別だにゃぁ!! (^_^)v
 ここからは車まで30分の林道歩きだ。朝と同じ林道でも、歩く方向や気持ちによって違う道のように思える。
 「川の流れる音を聞きながら歩くのは、なんだか疲れがとれてほっとするねぇ!」とAさんがつぶやく。

 15:00 林道中腹に置いた車にたどり着き、本日の山行を終わる。
 担当のとうくろうさんを始め、みなさん、本日も楽しい山行をありがとうございました。お疲れでしょうが、みなさんおうちまで、安全運転でもう一頑張りお願いします。


『早春の山(皿ケ嶺)』

 小雪の舞う林道を歩いていると谷の方からミソサザイのコロラトゥーラが聞こえてきました。うきうきする様な歌声にもう一声と待っていたら、聞こえてきたのはカケスの濁声。うーむ、気分を壊すやっちゃ。

 工事通行止めで予定外に歩く羽目になった林道には新しく積もった雪にいくつかの動物達のトラッキングが残っています。イタチ、リス、ヤマドリ、かなり「?」マーク付きですが (^^ゞ
 林道から登山道に入ると雪をかぶった竹がその重さに腰を曲げていて、目の前を邪魔をしています。そこらで拾った長い棒で雪をたたき落としながら歩きましたが、ほとんど自分の頭に落としているという雰囲気。足元にはネズミ(トガリネズミ?)の足跡が時折ショートカットしながら道を辿っていました。
 登るにしたがって薄く積もった雪の下は氷。やはり、まだ春の足音はアイゼンを履いた足音なのでしょうか。
 人工林とブナの混じる林を抜けると徐々に明るくなり、やがて登り着いた頂上はやはりあまり見通しの良くない所でした。たとえ良くてもガスの中ですが・・・
 とりあえずビールで乾杯。寒くてもビール。何はなくてもビール・・・
でも、やっぱり暖かいブタ汁が旨い。Hさん、Nさんごちそうさま

 そろそろ帰ろうかという頃になって少しずつ天気も良くなってきました。時折日の射す下り道では、霧氷の着いた木々をスキップするシジュウカラの姿が逆光に煌めきます。3回目の山行(私には2回目)にエールを送るように

 愛媛県皿ケ嶺(3月10日) にて
                             とうくろう

元に戻る