4)南京事件 諸説の紹介

 教科書記述で問題なのは、全ての教科書が大虐殺内容で、学会の常識とかけ離れている点である。「否定派」「小虐殺派」「中間派」「大虐殺派」諸説論争している中、大虐殺派のみを取り上げ、教科書の中で10万人から20万人を常識にしてしまっていることにある。あげくに中国側の30万人説を書き加えている。南京虐殺を取り上げるなら、諸説を紹介すべきだし、紹介しないなら南京虐殺自体記述すべきではない。概要さえ定かでないものをなぜ一方的に子供達の教科書に載せるのか。従軍慰安婦強制連行説同様、学術的態度がここにも欠落している。このような偏向した認識を、教科書を書く資格を持つ人が持っている。だから教科書がおかしいと言われている。

【虐殺数】(下線筆者)

大虐殺派:『南京事件』(岩波新書 笠原十九司)「・・十数万人以上、それも二〇万人近いかあるいはそれ以上の中国軍民が犠牲になったことが推測される。」

中虐殺派:『南京事件』(中公新書 秦 郁彦)「つまり三・〇万+一・二万(八千)=三・八〜四・二万という数字なら、中国側も理解するのではないか、と思うのである。」〜四・二万という数字なら、中国側も理解するのではないか、と思うのである。」

小虐殺派:板倉 由明 数千〜一万台

虐殺否定派:『「南京虐殺」の徹底検証』(展転社 東中野修道)『「南京虐殺」は、四等資料と五等資料によって成り立っている。南京で「何人虐殺」と認定せる記録は一つもないのである。ない限り、「南京虐殺」はグローバルな共同幻想に止まるのである。』

<参 考>

『「ザ・レイプ・オブ・南京」の研究』祥伝社 藤岡信勝・東中野修道)は、中国系アメリカ人アイリス・チャンの著作(アメリカで五〇万部)を紹介している。それによれば、「被害者数に関しては記述ごとに四三万人とか、二六万人とか、二二万七千人、三七万七千人と異なる数字をあげ、一定していない。」

『南京の真実』(講談社 ジョン・ラーベ)「中国側の申し立てによりますと、十万人の民間人が殺されたとのことですが、これはいくらか多すぎるのではないでしょうか。我々外国人はおよそ五万から六万人とみています。」

5)証言について

 東京裁判で日本人の「虐殺はなかった」という証言は、「信用にするに足らず」とあっさり却下された。中国人側の証言は公募しても集まらず、係官が出向いて集めた信憑性の低い、確認がとれていない証言は簡単に採用された。それが東京裁判である。南京に行った軍人の証言を、『新 ゴーマニズム宣言』の中から引用する。

南京占領時に居た、犬飼總一郎氏に聞くと「そんなことはあり得ない」と一笑に付された。南京を占領した兵隊たちは、それぞれ大規模な兵舎に入れられ、通常時と同様定時に点呼を受け、厳しく管理されていた。兵隊たちは、南京攻略戦までボロボロになった装備を手入れし、次の作戦行動に向けた準備をするのに連日忙しく、さらに各城門の警備師団司令部の警備、食料の配送といった任務が交代であってものすごく忙しく、休日はあったが銃剣を持ち出すことなど絶対に不可能だった。食料は上海から南京に進攻中、無錫に大補給基地があってそこで補充してから充分あった。最前線の兵隊以外は略奪する必要はなかった。そもそも何で難民だらけの安全区にわざわざ入って略奪せにゃならんのか?・・安全区にいたのは避難もできない貧乏な難民だけだったのである。・・・安全区は日本兵も入れぬように厳しく警備されていたし、外国人のジャーナリストも多数いるのだから、日本軍は彼らの目をいつも気にしてなければならない』『(「新ゴーマニズム宣言 第5巻」p154)

 また「証拠」について、過去繰り返しマスコミ等で使われていた加害者証言、証拠写真などには意図的にか捏造・間違いが繰り返し行われ、ある新聞社が時には逃げおおせられなくなり謝罪した経緯を持っているのも事実だ。マスコミ報道については、「仕組まれた”南京大虐殺”」(大井満著)に詳しい。裏のとれた決定的な虐殺証拠が出ていないのが現状である。

6)これが証拠写真?アメリカでベストセラーの「ザ・レイプ・オブ・南京」とピースおおさか

 南京虐殺の諸説が未だに解決されない理由の一つに、不正確な証拠写真があげられる。年代の違いや場所の違いがあり、決定的証拠となる写真が一つもない。アメリカで50万冊売れた「ザ・レイプ・オブ・南京」(アイリス・チャン著)は、多くの偽写真を証拠に使って指摘を受けている。出所はなんと中国政府筋と推測される。この本は本文にも間違いを多く含み、アメリカの著名な歴史学者も「歴史書とは言えない」と言う代物だが、アメリカの有名紙が賞賛し、日本軍による南京での蛮行が、事実であるかのように浸透してしまって。

生首

 右の生首写真は、「ザ・レイプ・オブ・南京」の中で証拠写真とされ、また(財)大阪国際平和センター(ピースおおさか)の南京大虐殺のコーナーに展示されている。このショッキングで恐ろしい写真は、もともとアメリカの写真誌『ライフ』(1938年1月10日号)に掲載されたものだが、南京大虐殺には少しも触れていない。(生首にタバコをくわえさせたアメリカン・ブラックジョークだろうと推察される。死体を見せて、「戦争」そのものではなく日本軍の残虐性を強調することは平和教育にはよくある。)そのような写真を、あたかも南京大虐殺の証拠のように平和博物館で展示している。この施設には組合活動に熱心な先生によって小学生が連れてこられ、子供たちは恐怖でそれを受け止める。筆者にはそのことの方がよほどショックで怖い。日本人への強烈な罪悪感を植え付けることが、一番の平和教育であるとしている。

下の写真は、過去に南京大虐殺の写真として使われていたが、実は重慶の空爆時「空襲が終わって群衆が地下壕を出ようとしていたとき突如・・・警報が鳴り、警防団がいきなり地下壕を閉めたため、人々がパニックに陥り窒息死・圧死した」(『戦争論』p156)写真である。

重慶爆撃

しかし展示では日本軍の爆撃による死者と説明されている。ピース大阪は、平成七年の時点で小中学生の入館者が約19万人、うち11万6千人が課外授業で来館している。一生忘れることのできないであろう6年生の子供達の感想文を紹介しよう。子供の字で書かれた原文を見たらもっと驚くことになる。あなたの子供は大丈夫か?平和博物館なるものに連れて行かれていないか。

『「かくしきれない罪」戦争はどんな物だったかということをおもに展示してあるピース大阪 映像や写真 本などで戦争というものを知る所で 日本人が中国人にした大きな罪 見ているだけで苦しくなるし日本人は許せないという心にもなってくるかもしれません・・』 『「日本は、重い罪を背負っている」・・今から、約五十年前、日本は、中国の人々を、殺して、楽しんでいた。平和センターには、日本がしたことを写真にとってありました。』

 展示の仕方は異常で、戦争犯罪でも何でもない民族浄化の殺人行為であるアウシュビッツの展示を、日本の戦争と同列に展示し、日本軍の非道を強調している。是非、酷さ加減を確認してほしい。

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