(12)世界は未だ、情報戦争まっただ中にあります。

 2000年になって世界は平和でしょうか? とんでもない、情報戦争まっただ中なのです。平和ぼけしている日本人には、世界が先の大戦の時とさほど変わっていない事を知りません。国家は自国の利益を優先し、侵略・弾圧・拷問・内政干渉・無視・情報操作などで少しでも有利に、少しでも多くのお金を出させようとしているのです。ぎりぎりのところでやれ平和だと装っているに過ぎないのです。弱肉強食の世界はそのままです。竹島を沖縄を、そして日本を自国の領土だと公言している近隣も在るようです。その先の日本も照準に入っているのかもしれません。

 今世界に誇れた独立自尊の信念を、我々の胸の中に回復する必要があるのではないでしょうか。我々の内側に英雄を思い出すことは、決して恐ろしいことではありません。逆に言えば愛を一度も体験したことのない人が他人に愛を与えられないように、自国を尊重する事を体験して、初めて本当の意味で他国を尊重できるのです。それを危ないことと思うのは、歴史を喪失してしまった結果に他ならないのです。

 世界は平和を装っているのだけです。スイスで国民に配られている小冊子を紹介します。

 

(強大国)は核戦争によって砂漠のように荒廃した国を手に入れるよりも、物資が十分供給されている国に手をつけるほうが、得策ではないだろうか。そこで、戦争は、心理戦の形態をとるようになり、誘惑から脅迫に至る、あらゆる種類の圧力を並べ立てて、最終的には、国民の抵抗意志を崩してしまおうとする。 (スイス『民間防衛』)

 ここで言いたいのは、子供達が使う教科書の中で、外国のしたたかな情報をそのまま鵜呑みにしてはいけないと言うことです。力強い大人が立ちふさがって、最後まで情報戦争から子供達を守らなければいけないいのではないでしょうか。

(13)個と公について。薄ぼんやりした個から太文字の個を立ち上げ、公に向かうのだ。

 日本の歴史の回復、つまり自己の回復は、強力なリーダーシップに引っ張られるのではなく、一人一人が自発的に要求し個を高めて、自己責任の中で目的を持って行動を起こすことではないでしょうか。友達がやるから俺も、ってわけにはいかないでしょう。何でもそうですが、直面した現実に自分がどうしたいか、自分が何になりたいのか選択する機会なのだと思います。放っておくことさえ選べる。

 そこから太文字で立ち上がった個が、次に進むのが公なのではないでしょうか。個に日常生活の常識の価値観を充満させて、子供の親として、教科書問題に太文字の個を立ち上げようではありませんか。それぞれの個が決めることですから、相対化して現状を維持したり、知ったかぶりして右のレッテル張りに終わることもあるでしょう。JCはそもそも「つくる会」(新しい歴史教科書をつくる会の略称)とは趣旨が違う。JCライフを楽しんでそっとしておいて欲しい人もいるでしょうから、出しゃばったことはすべきではないと思います。また今後政治家の中に、この運動でJCを利用する人も出てくるかもしれませんから、心眼を見抜く目を養わなければいけなくなるでしょう。個人的に筆者は近隣諸国条項や従軍慰安婦問題を政治的に処理してきた政治家というものに、何ら信頼を寄せていません。政治家は、まず失った信用を取り戻す努力をして欲しい。

 「新しい歴史教科書をつくる会」を設立した一人である小林よしのり氏の『新 ゴーマニズム宣言』シリーズは各巻(全8巻)ごとに約20万人、『戦争論』65万人、同会長の西尾幹二氏の『国民の歴史』は1月末現在で約65万人の読者がいます。つくる会の会員は約1万人ですが、存在を知り注目して居る人たちは、約20万人から65万人の潜在的会員を含んでいると言えます。世論が政治を動かし始めている状況だと思うのです。

 都市部開催のつくる会シンポジウムは、毎回2000人程を集めます。今年ある地方での建国記念日の反対集会に参加した人数は50人(朝日新聞)でしたが、イデオロギーに沿うものはごく少数でも記事に載せ、時代の潮流と言える都合の悪い集会は無かったように無視するのです。新聞は平気で情報操作します。新聞社だけの正義なのです。本当のことを知りたければ、まず新聞から疑えばいいでしょう。

 2月現在つくる会は中学の新しい歴史教科書と公民教科書を作りました。やがて我々の目にも入ることでしょう。いったん我々の心に火をつけたのですから、この炎は消すことはできないでしょう。いや、ますます大きくなっていくのではないでしょうか。一人一人が自発的に要求し日本人を取り戻しはじめ、JC全体が誇りや愛国心(最終章の「教科書周辺について」参照)を世界標準にまで近づけようと考えるならば、この国は必ず変わると信じます。

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