Don't Surrender!!
┃デッキ構築のセオリー
デッキ構築のセオリー
ここではデッキ構築におけるセオリーを紹介しながら、そのひとつひとつに対して理由付けをしてみました。
「いつも上級モンスターが多すぎると言われるけど、どうしてだめなの?」
「なんでデッキの枚数を40枚にしなくちゃいけないの?」
そんな心にひっかかっていたものをこのコラムで取り除けられたらなー、と思います。
1. デッキを40枚にする
こういう人がデッキ枚数が多くなりがち
「40枚にしなければならない理由が分からないから」
「せっかく強いカードを集めたのだし全部入れたいから」
「40枚だとデッキがすぐに切れてしまうから」
「多いのはよくないと知っているが、どうしてもデッキが多くなってしまうから」
「40枚にしなければならない理由が分からないから」という方へ
デッキの枚数を40枚にする理由は
デッキの枚数が多いほど、強いカードがドローしにくくなるから
です。
強いカードで攻めていくためには、強いカードをどんどんドローしていく必要があります。
しかし、同じ名前のカードは3枚までしかデッキに入れられませんし、強いカードは制限や準制限になってしまっていることが多いです。
そこで、デッキの枚数をぎりぎりまで少なくし、デッキの無駄をなくします。
すると、強いカードを早く多くドローできるようになります。
「せっかく強いカードを集めたのだし全部入れたいから」という方へ
分かります。小遣いを使い、必死で集めた強いカードやレアカード。
そんなカードをカードファイルで眠らせておくのはもったいないから、どんどん入れたい。
が、
強いカードやレアカードをあるだけ詰め込むことで、必ずしも強いデッキになるとは限らない
のです。
デッキはカードの足し算ではありません。
「《スケープ・ゴート》は《キャノン・ソルジャー》と相性が良いなあ。《キャノン・ソルジャー》は《キラー・トマト》から呼べるぞ。あ、《強制転移》は《スケープ・ゴート》と《キラー・トマト》の両方とコンボができるじゃん。」というように、
カード同士の相性(シナジー)や全体のバランスを考えることで、強いデッキが誕生します
。
レアカードも、他のカードとのシナジーを考えながら、そのレアカードとの相性の良いデッキ構成にすれば、その能力を存分に発揮することができます。
ぐちゃぐちゃな欲張りデッキでは運頼りになってしまい、結局は何もできないまま終わる可能性が高いです。
つまり
「具体的なコンセプト(こういうデッキにしたい)」を一つだけ決めること
が大切なのです。
【HERO】【暗黒界】【アンデット】といったコンセプトを決めれば、デッキの動かし方、勝ち方が決まり、デッキの内容やプレイングが分かりやすくなります。
具体的なコンセプトについては、インターネットを利用して流行の強力なコンセプトを検索することが簡単で効果的です。
「40枚だとデッキがすぐに切れてしまうから」という方へ
それは
単なるデッキのパワー不足
か
消極的なプレイング
のせいです。
デッキのアタッカーを増量させましょう。根本的なパワーがなければビートダウンにしている意味がありません。
また「相手の伏せ魔法・罠カードが怖い」「戦闘ダメージを受けるのが嫌だから守備表示で召喚してしまう」ということがありませんか。
魔法・罠カードが怖いなら《魔導戦士 ブレイカー》《大嵐》《サイクロン》に加えて《人造人間−サイコ・ショッカー》《氷帝メビウス》《ハリケーン》《砂塵の大竜巻》などの対策カードを積極的に投入してみましょう。
戦闘ダメージを受けるのが嫌なら《次元幽閉》《炸裂装甲》《万能地雷グレイモヤ》《奈落の落とし穴》《落とし穴》を入れて攻撃される前に相手モンスターを破壊してやりましょう。
ビートダウンデッキは攻撃していくことで相手を倒すのですから、積極的にいくことが大切です。
「多いのはよくないと知っているが、どうしてもデッキを多くしてしまうから」という方へ
デッキを40枚にしたものの「やっぱりこれがあった方がいい気がする」と思ってしまい、気付けばどっしりと50枚、60枚デッキに戻っているというのはよくある話です。
そのような時は
増やすのではなく入れ替えるくせをつける
はどうでしょうか。
テストを重ねて、このカードはよく手札に余っていると思ったら他のカードと入れ替えて、テストして、入れ替えて…後はこれの繰り返しです。
入れ替えて、元の方が良かったと思ったら、また戻せばいい話なのです。
そうしていけば、デッキはどんどん洗練されていくでしょう。
2. 生け贄の必要なモンスターを入れすぎない
こういう人が生け贄の必要なモンスターを入れすぎがち
「かっこいいし、強いから」
「このカードはいざという時に活躍するから
「かっこいいし、強いから」という方へ
確かにレベル4以下のモンスターよりもはるかに強いステータス・効果を持つレベル5以上のモンスターは、とてもかっこよくて強いです。
しかし、上級モンスターは出しづらいので手札に使えないまま残ってしまいがちです。
ピンチの時にドローしても生け贄モンスターを用意しづらいので無駄なドローになってします。
このようにレベル5以上のモンスターは生け贄の必要ないレベル4以下のモンスターに比べて、
レベル5以上のモンスターはとても召喚しにくい
です。
そして召喚できたとしても、生け贄召喚をする時点で自分のモンスターを失っています。
少し話が逸れますが、遊戯王には「アドバンテージ」と呼ばれる「そのプレイでどれだけ自分が有利になるか」という考え方があります。
基本的にカードゲームは「より得をしたプレイヤーが勝利する」という鉄則があります。
手札一枚の使い方を間違って相手を得させるだけで致命傷になることもあれば、手札一枚で劇的な大逆転を創り上げることもあります。
それほど一枚のカードの占める重要性は大きく、初心者の方はできるだけ得をするように心がけるだけでも強くなれると思います。
それでは話を戻して、このアドバンテージの考え方も取り入れながら、モンスターの召喚について見てみます。
現在自分のターンのメインフェイズ1です。
自分のフィールドには《エルフの剣士》が2体います。
相手のフィールドには何もありません。
この時、自分の手札には《青眼の白龍》と《ハーピィ・レディ》があります。
《青眼の白龍》を召喚した場合は、フィールドにいる《エルフの剣士》2体を生け贄にする必要があります。
つまり《エルフの剣士》2枚を失ったことになります。
《ハーピィ・レディ》を召喚した場合は、生け贄が必要ありません。
つまり何も失っていないことになります。
このように
レベル5以上のモンスターは召喚するだけで損をしてしまう、相手を有利にさせてしまう
のです。
続けてバトルフェイズに入り、モンスターで攻撃したとします。
《青眼の白龍》を召喚した場合は、《青眼の白龍》のダイレクトアタックで3000ダメージを与えられます。
《ハーピィ・レディ》を召喚した場合は、《エルフの剣士》2体と《ハーピィ・レディ》のダイレクトアタックで1400+1400+1300の4100ダメージを与えられます。
つまり、《ハーピィ・レディ》を召喚した方が1100だけ多くダメージを与えられます。
このように
レベル5以上のモンスターよりも他のレベル4以下のモンスターを召喚した方が、たくさんのダメージを与えられる場合が多い
です。
さらに続けて相手のターンに入り、相手が《地砕き》を発動したとします。
《青眼の白龍》を召喚していた場合は、《青眼の白龍》が破壊され、自分のフィールドにはモンスターが存在しません。
《ハーピィ・レディ》を召喚していた場合は、《ハーピィ・レディ》が破壊され、自分のフィールドには《エルフの剣士》2体が存在します。
このように
レベル5以上のモンスターよりも他のレベル4以下のモンスターを召喚した方が、除去されることに強い
のです。
まとめると
「召喚しやすさ」「召喚コスト」「ダメージを与える効率」「除去への耐性」において、レベル5以上のモンスターを召喚するよりもレベル4以下のモンスターを展開する方が良い
ということになります。
レベル5以上のモンスターは相手が《地砕き》でなく《ルイーズ》をドローした場合のことを考えると分かるように「モンスターへの耐性」は強いのですが、他のデメリットを考えると、どうしてもレベル4以下のモンスターの方が良いように感じると思います。
「このカードはいざという時に活躍するから」という方へ
こんな使いづらいカードをなぜ「いざという時に活躍する」と感じてしまうかは、そのインパクトにあります。
思い入れが強い分、このカードが活躍した場合に特別な達成感を感じてしまい、強いと感じてしまう
のです。
実際は手札に残ってしまったり、出しても《炸裂装甲》に吹き飛ばされたりすることの方が断然多い
はずです。
ただし、生け贄の必要なモンスターはデッキのスパイスとしては欠かせません。
生け贄の必要なモンスターは得をしやすいレベル5・6のモンスターを2〜3体まで
ということを心がけるのがよいと思います。
3. カードチョイスに気をつける
こういう人がおすすめできないカードチョイスをしてしまいがち
「《ニードルワーム》でデッキを破壊しよう」
「《リロード》《打ち出の小槌》で手札を入れ替えよう」
「《神の恵み》《ご隠居の猛毒薬》でライフを回復しよう」
「《デーモンの斧》でモンスターを強化しよう」
「《ニードルワーム》でデッキを破壊しよう」という方へ
相手のデッキのカードを墓地に送る効果です。
特に一度のリバース効果でデッキを5枚減らす《ニードルワーム》は断トツで初心者に人気のあるカードです。
他には攻撃される度に相手のデッキを減らす《墓守の使い魔》なども人気があります。
デッキ破壊効果を持つカードをチョイスをする初心者の考え方の傾向
「相手の強力なカードを墓地に送って、使えなくさせられるから」
「相手のデッキを削ってデッキデスによる勝利を狙っているから」
「相手の強力なカードを墓地に送って、使えなくさせる」という方へ
では、アドバンテージの視点から考えてみます。
もしも《ニードルワーム》が《エルフの剣士》に攻撃されて、デッキ破壊効果が発動し、相手のデッキから《強欲な壺》が墓地に送られたとします。
それで間接的にアドバンテージを1つ得たとしましょう。
しかしながら、《ニードルワーム》が戦闘で破壊されてしまうので、結局は損得無しです。
しかも、そうも毎回《強欲な壺》を墓地に送れません。むしろ、どうでもいいカードであることの方が多いでしょう。
さらにデッキ破壊効果には「《貪欲な壺》のコストを満たされる」「レベル5以上の《早すぎた埋葬》《リビングデッドの呼び声》で特殊召喚される」「《黄泉ガエル》《ダンディライオン》の効果を発動される」「《聖なる魔術師》で回収される」などデメリットも目立ちます。
総括すると
《ニードルワーム》は基本的に損をし、たまに損得無しにできるカード
です。お世辞にも良いカードとは言えません。
《ニードルワーム》と同様に他のデッキ破壊効果を持つカードでも同じようなことが言えます。
デッキ破壊効果はフィールドに影響を及ぼさないので、ピンチの時にも有利な時にも効果はきわめて薄い
のです。
「相手のデッキを削ってデッキデスによる勝利を狙っている」という方へ
確かにデッキデスによる勝利を狙う「デッキ破壊デッキ」は一デッキジャンルとして確立されています。
しかし、この戦略は完全にデッキ破壊のみを目指すデッキの構成でないと全く機能しません。
「相手の強力なカードを墓地に送って、使えなくさせる」の部分でも述べましたが、デッキ破壊効果はフィールドに影響を及ぼさず、中途半端だと、ただ相手を有利にさせるだけになってしまいます。
つまり、
相手ライフを0にしようとしているのであればデッキ破壊効果は邪魔なだけ、相手のデッキ切れを狙っているのならば相手ライフを減らすカードは邪魔なだけ
なのです。
ビートダウンデッキにするならばデッキ破壊効果を持つカードは全て抜いてしまいましょう。
デッキ破壊デッキにするならば《魔導戦士 ブレイカー》も《異次元の女戦士》も全て抜いてしまいましょう。
「《リロード》《打ち出の小槌》で手札を入れ替えよう」という方へ
自分の手札を入れ替える効果です。
特に《打ち出の小槌》は強力なカードを手札に残しつつ、必要ないカードを入れ替えることができます。
では、アドバンテージの視点から考えてみます。
手札が4枚の時に、その手札の中から《打ち出の小槌》を発動しました。
2枚をデッキに戻してシャッフルし、デッキからカードを2枚ドローしました。
その後、効果を発動し終えた《打ち出の小槌》が墓地に送られるので手札の枚数は3枚になっています。
つまり自らアドバンテージを1つ失って、相手に得をさせてしまいました。
もしも、これで《強欲な壺》をドローしたとしても結局は損得無しなのです。
《打ち出の小槌》も《ニードルワーム》と同様に
基本的に損をし、たまに損得無しにできるカード
なのです。
確かにピンチの時に《ライトニング・ボルテックス》をドローできる可能性もありますが、あまりにも不安定過ぎます。
こう考えれば、手札を入れ替えるカードよりも、できるだけ損をしないカードと入れ替えておく方が良いと分かると思います。
「《神の恵み》《ご隠居の猛毒薬》でライフを回復しよう」という方へ
自分のライフを回復する効果です。
特に《神の恵み》は毎ターン500ずつ回復できて、どことなくお得な雰囲気のあるカードです。
では、相手の《怒れる類人猿》にダイレクトアタックされようとしていると考えます。
《神の恵み》ならば、4ターンかけて2000ダメージ分回復することでダイレクトアタックされる前のライフに戻ります。
《炸裂装甲》ならば、戦闘ダメージを受けない上に《怒れる類人猿》を破壊することができます。
どちらの方が効果的でしょうか。断然《炸裂装甲》です。
しかも《神の恵み》の場合は《怒れる類人猿》を処理する手段が無ければ、そのままずるずると1500ずつライフを削られ続けてしまいます。
このように
回復効果は後ろ向きで効果が薄い場合が多い
です。
「《デーモンの斧》でモンスターを強化しよう」という方へ
装備魔法の効果で自分のモンスターの攻撃力・守備力を上げることです。
では、アドバンテージの視点から考えてみます。
自分は《怒れる類人猿》に《デーモンの斧》を装備して攻撃しました。
相手は《炸裂装甲》を発動して《怒れる類人猿》を破壊しました。
自分が失ったカードは《怒れる類人猿》と《デーモンの斧》の2枚。
相手が失ったカードは《炸裂装甲》の1枚。
つまり相手に1枚分得させてしまっています。
このように装備カードは
相手を得しやすくさせてしまう
のです。
戦闘の補助ならば、装備魔法よりも、発動タイミングが自由な《収縮》《突進》などの速攻魔法の方が損しづらいです。
実際にも速攻魔法の方が断然多くのトーナメントプレイヤーに使用されています。
後書き
以上のことを総括すると、「
自分が得をして相手に得をさせるな
」ということです。
これを常に念頭に置いておくことができれば、着実に一段階レベルアップすることができるでしょう。
しかし、ここで述べたものは結果論です。
状況によってはアドバンテージを失ってでも行動を起こす方が良かったりする場合もあります。
そのような駆け引きについて文字で伝えることは難しく、これでもかというほどに結果論になってしまいます。
デッキに関しても、それ以外に関しても、
全ては、やれば分かること
。
百聞は一見にしかず、経験し、悩み、磨き、克服し、更なる高みを目指して頑張ってください!