カンパチの生態

暖かい水を好む暖流魚で、魚類 スズキ亜目 アジ科 ブリ属 に属する。
英名 AMBERJACK(アンバージャック )  学名 seriola dumerili

ブリ属では最大級になり、体長は2m近く、体重は100sを超える。魚体はブリやヒラマサに似る。
ブリの仲間であるカンパチはブリやヒラマサと並び青物三兄弟(青物御三家)とも呼ばれ高級魚である。
ブリやヒラマサに比べ体高が高く、体幅も広く、著しく側扁し、シマアジの外形に似る。
そして、アンバージャックと呼ばれるように琥珀色(あまり青物っぽくない)の美しい体色をしているため識別は容易である。
前額部には背面から見ると八の字型の茶色い帯模様があることから勘八(間八)と呼ばれるようだ。
この帯模様は成長とともに不明瞭になる。寿命は大体10年といわれる。
産卵期は5月から8月。産卵適温は20度〜25度。稚魚はハマチの稚魚のように流れ藻や流木につく習性があり、
全長10センチに成長すると流れ藻から離れ、沿岸部にある岩礁帯の下層から中層に生息するようになる。
しかし、流木やシイラ受けにも40センチを超える個体(ネイリクラスですが)も付いている。
成魚は潮の流れが速い岩礁につき、大型ほど短い期間では移動しない、まるで根魚の様である。
魚食魚で、ムロアジ、アジ、イワシ、サバなどの小魚のほか、烏賊やエビも好んで捕食する。


近似種にさらに暖海系の
ヒレナガカンパチ(最大で1・5メートル、50キロ)がいる。
英名 JACK. almaco(Pacific)(ジャック)  学名 seriola rivoliana
そして、カンパチよりも背鰭や尻鰭が多少長く多少茶色っぽいのが特徴、若魚は尾鰭の下葉先端が黒いこと(カンパチは白)で識別できる。
ヒレナガカンパチはカンパチよりもさらに南方系で、分布域も南へずれる。しかし、同じ海域に混生することも多く、
高知県足摺沖、室戸沖、小笠原沖など両種がまじって釣れることも珍しくない。産卵期は6月から11月でカンパチよりも遅い。

そして、日本ではいませんが、インド洋に生息するミナミカンパチもいます。
英名 SAMSONFISH(サムソンフィッシュ)   学名 seriola hippos
もう一種、大西洋カンパチも存在するようです。


分布:東北地方以南の太平洋側に広く分布している。
個体数が多いのは、関東以南の太平洋側と玄海灘、東シナ海などで、日本海側は、太平洋側ほど多くない、と言うより、かなり少ないようです。
黒潮や対馬海流などの暖流に乗って、沿岸から沖合いにかけて日本南部に広く分布する回遊魚である。
カンパチが数多く分布しているのは、北緯36度よりも南の海域だといわれる。
カンパチの好釣り場として知られる海域を見てみると、足摺岬沖や室戸岬沖や八丈島が北緯約33度、日向灘が約32度、薩南諸島が30度、
沖縄が26度〜27度。釣り人の手がどれだけ入っているかの違いも関係してくるが、国内では南へ行くほど好釣り場が多い。
カンパチに限らないが水温が高いほど成長が早くなるようです。
私が住む香川県の瀬戸内海も北緯36度以南に位置するが、カンパチは(水温が13度以下になると成長が止まり、9度以下では生存できない)
冬の水温が10度を下回る日もある瀬戸内海ではなかなか生息できず、秋になると太平洋に出て行くと考えられていたが、
地球の温暖化によりそうとも言い切れないようだ。(もっとも大物はいないでしょうが。)
カンポチ(ネイリ)クラスはちょくちょくあがっているようです。

別名・地方名:アカバラ、カンパ、カンポチ、シオ、ネイゴ 、ネイリ、とも呼ばれます。


カンパチの刺し身は昔から、大変好まれ現在も高級魚として扱われている。 旬は春から秋で特に夏は肉質も締まって脂ものり、クセもなく大変美味である。
大型の物はやや大味であるらしい、10キロ以下のものが昧が良いといわれる。

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