都会

みんな孤独で何かに飢えて
気まぐれに時をすごす
その中につかのま灯す夢
夢を信じるしかすべもない
 いつもと変わらぬ小さな部屋で
 待つ事ばかりに疲れた僕は
 たばこの煙 目で追いながら
 泪を小指でふいてみたけど
 いくらふいても泪はあふれ
 音をたてて たたみに落ちてくる
 
みんな都会という大海に
漂よう小船のようだ
荒れた海に落ちないように
一人生きるのにせいいっぱい
 いつもと変わらぬ小さな部屋の
 ほこりをかぶった机の上の
 一輪差しに咲いた白い花
 何の花だか知らないけれど
 かわいた心を潤おうようで
 忘れてた 感謝の言葉を君に
 
 いつもと変わらぬ小さな部屋から
 見上げているんだ灰色の空
 いつしかまた僕の心は重く
 沈んでゆくばかり
 
 今日もまた心は重く
 沈んでゆくばかり