始発電車

起きぬけのホームにひとり
袖の汚れに吐息が白い
手のひらのキーを放る
レールをめがけ一息に
 少女の薄い胸がボクのかくれ家だった
 始発電車はまだ来ない
 
朝もやが低く沈む
風がないのはいつもと同じ
ドア閉めて最後に笑う
ほほのえくぼが目に痛い
 少女の薄い胸がボクのかくれ家だった
 始発電車はまだ来ない