リーダーとは?

犬のリーダーとは

犬は、どんな人をリーダーと認めて付いていくのだろうか?ふと、考えてみた。
犬は、犬同士だと当然群れを作って行動する。
野良犬たちが、何頭か集まって歩いているのを見たことが
あるのだが、言葉のない彼らが、なぜか争うこともなく、順番を作っておとなしく付いていっている。
別に、怒鳴るわけでもなく、噛み付くわけでもないのに、なぜ、リーダーは慕われるのか?
リーダーの仕事は、群れの安全確保と、食糧確保、そして楽しみ、個性の尊重などがあげられると思う。
このリーダーに付いていけば、安心。と思わせる行動が取れるかどうかにかかっているのだと思う。

力でねじ伏せて、無理やり付いてこさせると心の奥には慕う気持ちどころか、恨みの念が
溜まっているのではないだろうか。私だって、こういうリーダーの元には、居たくないと思う。
確かに怖いから、表向きは作り笑顔で「はいわかりました〜。すばらしいお方です。何でも仰るとうりです。」
なんて言っていても、腹の中はとーぜん反対に「嫌だ〜〜!こんなところ居たくない!」と思うだろう。

家庭にもらわれてきた犬は大抵一人ぼっちで過ごしている。飼い主しか家族はいないのだ。
そうなると、逃げ場はない。わかってもらえない心のうちを、飼い主に打ち明けられぬまま、
ただ、黙って日々を過ごすしかないのである。黙って日々を過ごそうと諦めるまでには、長い年月と
訴えの日々があったろうと思う。犬の訴えは、大抵人間の嫌がる表現になってしまうことが多い。

遊んで欲しい、連れて行って欲しい、何か欲しい。いろんな要求をするのだが、人間は都合主義で
自分にいい事しか、要求を通さない。食べ物は自分が食べてもあげない、飛びつきや顔を舐めるのも
犬にとっては挨拶なのに、汚いからダメ。自分がどこかに行く時もお留守番、犬や人が嫌いなのに
お構いなしにいろんな犬にあわせたりする。

だんだん要求はエスカレートし、かまってくれるのは、人間が嫌う行動をとった時だけということに気づくのである。
そして、吠えや、かじるといった行動になる。
そうすると、人間はもっと犬が嫌になり、挙句の果てには、どこかへ閉じ込めたり、外へ出されて
群れから追放になってしまう。
そして、諦めと、人間不信の日々が始まる。
人間不信の子はやがて、恐怖から噛みつくようになってしまう。
噛み付くという事態になって初めて事の重大さに気が付く人が多いのである。

話は逸れてしまったが、結局のところ、犬の気持ちも理解しつつ、飼い主として人間社会の
ルールも的確に教えることが出来る。要するに犬の母親になってもらいたいのである。
母というのは、愛情があるから、やさしくも厳しくもできるわけで、その子のことを考えて
正しい道に導いてあげているのだと思う。いつも味方であり、指導者である。決して怖さで
教えるのではないのである。
この違いが、理解していただけたでしょうか?

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