里帰り行事 徳島県主催 平成13年
知った事と受け取った事の違い
お墓参り
松浦徳男さん 平成11年5月

国立療養所 大島青松園

四国香川県高松市の東方八キロの海上に、周囲七キロ程の大島と呼ばれる小さな島がある。大島の近くには、かって木下恵介監督の、喜びも悲しみも幾歳月 のロケーションにも使われた女木島 男木島や壷井栄原作の 二十四の瞳 の舞台になった小豆島がある。無人の小島も散在する瀬戸内の島々の景色は、四国の地に住む者には見なれた風景であり、その島々に生活する人達を除けば無関心の地であったことは否めない。大島も例外でなく、其処で誰がどのような生活の日日を送ってきたのかは近年まで知られず、今日でも知らぬ人達が多い。

大島には明治四十二年らいの療養所が開所され、今日までおよそ百年の間、四千人近いハンセン病を患った人達が、親兄弟から引き剥がされてこの地に収容せられた。島内にあっては短くない一時期、有刺鉄線が囲む患者地区の中で、患者が患者を看るという作業が続けられ、病の進行を余儀なくされたという。多くの療養患者が島の暗闇に無念の涙を流して生きてきた。己の行く末を儚み縊死せし人や瀬戸の海に入水せし者もあったと、入所者の多くの人が島を訪れた私に話す。この人達が永い永い歳月、朝に昇る太陽を、夕に沈みいく太陽だけを見て暮らして来た地が大島である。

国立療養所 大島青松園 正門
若い人達 平成八年
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